忘れ物がかり 2【Ryosuke.Y】

80 ページ30

･








･








いつもならうるさいの一言くらい言うくせに。







調子狂うんだけど………









涼介「ほんとに訳わかんねーよ。」







俺が一番よく知ってるとか…何のことだよ









涼介「もぅ……………」






受付の机に腕を置いて顎を乗せて
不貞腐れたりして。









慧「相棒ちゃん、俺のこと好きになってよ」





は？





いのちゃんそれ本気か？





大貴「いの、ちゃん！？」




なんで俺こんなソワソワしてんだ





慧「大ちゃん、１回黙って」





大貴「！？」






声だけ聞こえるけどなんだこの空気。









今日２回目の沈黙じゃん。









慧「俺は、本気だよ？Aちゃん」


、
「いの…先輩…」







侑李「僕達ちょっと飲み物買ってくるねー…


早紀、行こ？」






早紀「あ、うん…！」








逃げるように俺の横を通って部屋を出ていった2人。









大貴「俺は、曲聴くから何も聞こえないよー！」






どうやらヘッドフォンをはめて静かにしている模様。









俺のいる受付は、真後ろに教科書などが入ってる棚があるからソファのある場所からは死角になっている。








…つまり俺はいない事になっている…









「えと…ほんとですか？」







慧「うん、本気、







嘘じゃないし、テキトーでもないよ？









初めてあった日から気になってたの。」




「そうだったんですか…




だからあんなにくっついてきたと…」




慧「そーだよ。
誰にでもあんなことするわけないじゃない」







なんだこの状況…



告白なんだよな…？




俺、ガッツリ聞いちゃってんだけど…





「伊野尾先輩の事は好きですよ



でもそれは…どういう好きなのか、まだよくわからなくて」





慧「そっか……」




あれ、振ってる…？


慧「じゃあさ、好きにさせていい？」




はぁ？？←




何、好きにさせるって。







催眠術師か？





「それってどういう…」

慧「俺が今まで以上に頑張るって意味…と言うか……んー、こんな事もっとしちゃうかな」






そう言ってから会話が途切れて
制服の擦れたような音…





え、ここでキスとかないよな！？


それはあまりにも強引すぎじゃ……





そーっと見てみると、
いのちゃんが…

佐藤、を抱きしめていた。

81→←79

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す