忘れ物がかり 2【Ryosuke.Y】

62 ページ12

･








･







つまんねー。







何かわかんねぇけどつまんねー。









何に対してかさっぱりわからないこのムスッとした気持ちで受付の椅子に座り、顎を机に乗せた。








ガチャ






大貴「おっはよー」




そこにやって来たのは有岡大貴。




涼介「らいちゃんー…」



ムスぅっとしたまま大ちゃんを呼べば、
いつもと違う様子に驚いた大ちゃんは俺を見る。




大貴「や、山田？」




涼介「つまんない」




大貴「…へ、何。どうしたの」




その場にしゃがみこんで俺と同じ目線になった大ちゃんに事情を聞かれたけど、



いざ聞かれるとほんとに説明に困る。





だって、



自分だって何でこんなにつまらなくて
ムスッとしてるのかが分からないから…。






涼介「とにかく暇なのー。
助けてー」







大貴「んー、体操服に着替えなさい笑



今日は待ちに待った球技大会だぞ！




カッコイイとこ見せて、女子を虜にしなきゃ！」





…相変わらず…。





まぁ着替えてないのは事実だし、そうすることにしますか……






すると、勢いよく立ち上がった大ちゃんが満面の笑みで叫ぶ。





大貴「相棒ちゃんかっわいいー！！！」




「！？有岡先輩？」



慧「大ちゃんおはよ〜


もー相棒ちゃんとのラブラブタイムを邪魔しないでよー、」






何がラブラブタイムだ！




ちらっとそっちを見ると、



いのちゃんに肩を組まれて自撮りをしているアイツ。








涼介「…何あの笑顔」





俺なんかに絶対見せないような笑顔で大ちゃんやいのちゃんと仲良さげに話しちゃってさ？








大貴「相棒ちゃんちょーくるっくる！
自分でやったの？？」




「いえ、早紀がやってくれたんです…！」




早紀「今日のA、いつにも増して可愛いですよね！？」



大貴「可愛い♡♡ねね、俺とも写真撮ろ！！」





「あ、はい…笑」


慧「えー俺もっと撮りたいー」


侑李「いのちゃんもう20枚は軽く撮ってるでしょ」



慧「えー？だってまだネズミとクマとネコとイヌと〜……」



「ははは、何ならまた後で…」


慧「うん♡」

侑李「単純笑
Aちゃん気をつけなよー？笑」


大貴「…ねね撮ろ撮ろ！俺は素の相棒ちゃんと撮る！ 加工なくても絶対可愛い！」




…俺だけじゃん。




アイツとちゃんと会話できてないの。

63→←61

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す