JUMPの最年少とキンプリのお姉さん【Yuri.C】

フレホリ？ ページ10

とある焼肉屋の小さな個室。


向かいに座るのは、世間でラブホリ王子と騒がれるイケメン。


久しぶりに会うけど、イケメン度増してない？



健人「では、Aのデビューを祝って！Sexyかんぱーい！」



『かんぱーい！……Sexyいらなくない？』



健人「まぁ、セクゾをよろしくってことで」



『なにそれ笑 あ、こちらこそよろしくお願いします』



ぺこりと会釈して、ビールを一口飲んだ。


あー美味い。



健人「で、ねんちーと会ったの？」



『ゴホッ！？な、え、なんで侑李！？』



ビール吹くかと思った。



けんてぃーの口から侑李のことが出てくるなんて思わなかったから。



私がジャニーズ事務所に入ったのは11歳の時。


ジャニーズ唯一の女の私は当時遠巻きに見られることが多く、人見知りだった私は友達と呼べる人もいなかった。



そんな中初めて私と友達になってくれたのが侑李で。



きっかけは今となっては詳しく思い出せないけど、気がつけばいつも隣に侑李がいた。



けんてぃーと仲良くなったのは、侑李がデビューしたあと。



しばらくしてけんてぃーもSexy Zoneとしてデビューしたけど、ちょくちょく連絡を取ったり、今日みたいに一緒にご飯を食べに行ったりもしていた。



だから侑李ほど疎遠にはなっていなかった。



健人「ねんちー、会う度にAのこと気にしてたよ。元気かって」



『えぇー、嘘だぁ』



健人「そこ疑う？」



本当にそうならあんな再会にはならなかったはずだ。



けんてぃーは笑って、焼けたミノをレモン汁が入っている私の小皿に入れてくれた。



さすがけんてぃー、わかってる。



侑李も私が、焼肉はとりわけホルモンが好きで、レモン汁でしか食べないことを知っているだろうか。



侑李と焼肉なんて、食べに行ったことないからなぁ。


ふと侑李のことを考えてしまったことに気づき、思考を消すように頭を振った。



健人「どうしたの？」



『ううん、侑李のこと考えてしまったから』



健人「いいじゃん、別に」



『でも、もしかして、』



私は俯いた。



侑李と顔を合わせるのが怖い、本当の理由は。



『私だけが、友達だって思ってる、だけかもしれないじゃん』



自分で勝手に避けておいて、酷い話だけど。

＊→←＊おまけ *涼介side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す