JUMPの最年少とキンプリのお姉さん【Yuri.C】

ピュアボーイ ページ33

『あっつぅ………』



ダンスレッスンの休憩時間、汗でベタベタな顔を洗っていた。


『うーわ、Tシャツもやばい……』


めちゃくちゃ暑いせいか、汗の量もやばい。


着替えたい。でもこのあとも練習ある……。


なんて思いながら水を顔にパシャパシャ掛けていると。


涼介「木野ちゃん？」


『あ、え？山田くん？と……』


圭人「あ、こんにちは……」


山田くんと岡本くんがいた。



『こんにちは。二人も練習？』


涼介「そ。てか今日めちゃくちゃ暑くねぇ？」


『あっついよね。着替え持ってきたら良かったよー』


涼介「ほんとな。木野ちゃん、前じんわり透けてる」


『えっ、わ！さいあくー……』


山田くんに指摘されて自分を見下ろすと、汗で湿っているせいで、肌にTシャツが張り付いている。



このまま戻るのはやばいなぁ………。


顔を洗い始めた山田くんを他所にそう思っていると、岡本くんと目が合った。


岡本くんとはあんまり喋ったことがない。


暑さでよく回らない頭で話題を振り絞る。


『えっと、お疲れ様。暑いね』


圭人「あ、うん、そうだね」


………………。


だめだ、会話が続かない…………！

何を話せばいいんだ………！？


岡本くんも話すのは得意じゃなさそうで、そういう人を目の前にすると私も人見知りモードが発動してしまう。


わーん！どーしよう！


圭人「………ちーちゃんとね」


『はいっ？』


変な声出してしまった。


でも岡本くんは気にしてなさそうで、そのあとも言葉を続ける。


ちーちゃん………。侑李？


圭人「俺、いつも雑誌の取り合いするんだけど、ちーちゃん、いつも木野さんのページ、ずっと見てるんだよ」


『………えっ』



圭人「ちーちゃん、いつも木野さんに素直になれないだけで、ほんとは木野さんのこと大好きなんだと思う」



岡本くんは微笑んでそう言った。


涼介「……お前、知念に殴られるぞ笑笑」


圭人「えっ！？だだだって、何話したらいいのかわかんなくて、これしか思い浮かばなかったんだもん…！」


どうやら岡本くんもそうだったらしい。


だけどまって、私今声出せない。


なんかもう、嬉しいし恥ずかしいしで、ぐちゃぐちゃだ。


涼介「ねぇ木野ちゃん顔真っ赤だよ笑」


『まってまってまって……、なんか、あの、岡本くんと初めて話したけど、その、あの、なんの公開処刑ですか…………』


涼介「まぁ、うちの圭人はピュアボーイだから笑」


ピュアボーイ岡本くん、あな恐ろし。

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