JUMPの最年少とキンプリのお姉さん【Yuri.C】

＊ ページ15

侑李「なに」



『…………こっちにも、準備ってものが、あるんです……っ』




侑李「準備？なんの？」



『〜〜〜っ……』



半ば睨むようにAを見つめて催促すると、Aは観念したように、顔を手で覆った。



『トプ画とホーム画、変える準備………』




侑李「…なんで？」





『どっちも、侑李に、してるの………っ』




侑李「…………………へっ？」



思わず間抜けな声が出た。



アプリを開いて見てみると、Aの言う通り、トプ画とホーム画の両方が僕の画像だった。



『ちょぉぉぉぉ！見ないでよっ！拒否った意味ないじゃん！！』



侑李「……いやいやいや、えぇ………？」



やっとわかった。


涼介がニヤニヤしていた理由。



多分、僕は耳が真っ赤だろう。



だって異様に熱いもん。



侑李「………なんで僕？」



『…親友、じゃん………』


そう言ったAの顔も真っ赤で。


あぁ、僕の杞憂だったのか。


Aも、僕を大切な友達だって思ってくれていた。



心地良い安心感に満たされながら、僕は自分のスマホを取り出し、お互いのスマホにお互いの連絡先を登録した。



侑李「はい、ありがと」



『あ、こちらこそ…』



侑李「僕、優しくできるし」



『え？』



きょとんとした顔を見せたA。


今日、何回目だろうか。



侑李「いじわるも、あんまりしないように頑張るから」



だから、愛想尽かさないでください。



それは言えないけど。


でもさすが親友。Aはその先を察したように、笑ってくれた。


久しぶりに見た、僕に向けられたAの笑顔。



『うん。…私も、頑張るね』



その言葉に、僕も笑った。



11年の月日の隔たりは、少しだけ解消された、と思う。









『じゃあ侑李、侑李は私の友達だからさ、平野にぬれおかき食べたのは侑李だって言ってよ』


侑李「やだよ僕関係ないのに」



『友達じゃんかぁぁぁぁ！！』


侑李「それはAの自業自得なんだから平野くんにみっちり怒られてきなさい」



『うぇぇぇ………』




でもやっぱり、少しはいじわるしちゃいます。

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