百花繚乱《JUMP》

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薮side



薮「伊野尾、依頼の内容は？」




伊「警察から。誘拐された子の救出だって。ほら、この子。」



パソコンの画面を覗くと、男の子の顔写真と情報が依頼メールに添付されていた。




薮「8歳の男の子か…なるほど。
現場に監視カメラ仕込んだ？」



伊「もちろん。」




さすが。仕事が早い。



こういう密室ものは、裕翔の転送能力で現場にカメラを仕込んでいる。





伊「救出、今日中にやってほしいってよ。」



薮「はぁ！？ったく、警察は何考えてんだよ。」






無茶な要望にため息をつきながらモニター室を出る。





薮「皆、集合。」



集合の指示を出すと、続々と皆いつもの机に集まった。




有「あれ？山田は？」




岡「山ちゃんなら自分の部屋にいるよ。」




薮「…呼んでくるわ。」



・



俺らは、おじさんの勧めで、事務所の3階の各部屋に住んでいる。



おじさんって言うのは、この事務所の社長のこと。

社長と呼ばないでほしいと言われたため、皆“おじさん”と呼んでいる。


謎多き人だけど、温かみがあって凄く優しい人。






あ、ちなみに、今皆が居るところは2階のオフィス。




ｺﾝｺﾝ




薮「涼介、依頼来たぞ。」




山「…りょーかい。」





こんな日中に、涼介が部屋にこもっているのは、一人で居たい時。





声を聞く限り、今日は大丈夫そうだな。





薮「…何かあればいつでも頼ってくれよ。」



あいつが部屋から出てくる前に、先に俺はオフィスに戻った。




・




薮「よし、揃ったな。
伊野尾、依頼の説明よろしく。」




伊「ほーい。
警察からの依頼で、誘拐された8歳の男の子の救出と犯人確保。今日中にやってほしいって。現場はここ。」



伊野尾のパソコンにマップが表示された。



マークしている場所は、こっから5kmぐらい離れている建物。




伊「犯人は、建物内に3、4人ってとこ。」




知「で、今回は誰が行くの？」




薮「んー、涼介、裕翔、雄也、光かな。
あとの5人は、車停めてサポート。
警察が建物の外で待機しているらしいから、犯人は殺さずに警察に引き渡す。」




山「ﾁｯ、つまんねぇ。」


中「ちょっとヤマ〜、そういうこと言わないの。」





薮「で、警察の対応は大ちゃんお願い。」


有「おっけー、任せて！」





薮「じゃあ、皆準備して。
あ、運転は俺がするから。」




岡「俺、おじさんに声掛けてくるね。」




薮「悪ぃな。頼んだ。」

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