愛されたいなんて (ページ2)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:20,226 hit

. ページ2

side 高木

いつの間にか、有岡くんのことが好きになっていた。

綺麗な瞳に、愛らしい笑顔に、気付いたら恋に落ちていた。

でも、ずっと有岡くんのことを目で追っていたから気付けたのかな。彼はいつも違う匂いがした。

初めて気付いたのは、皆で雑誌撮影のときだったかな。

有岡くんに漂う匂いは甘い感じがして、ああ、彼女いるのかなって思った。

次に気付いたのは、ふたりでレギュラー番組のロケをしたとき。

私服からお決まりのジャージに着替えるとき、有岡くんの肩甲骨のあたりに、付けられたばかりと思われる赤い華が見えた。
また彼女かなって思ったけど、あのときの甘い匂いじゃなくて、もっとスパイシーな匂いがした。

そんなこんなで、いつも違った匂いがした。

女の子、大好きなのかな。

なんて考えが覆されたのは、つい1週間前のこと。

友達と夜遅くまで飲んでて、夜の繁華街を歩いていた。

そしたら、見知った後ろ姿を見つけて、声を掛けようとした。

のに、知らないおじさんとホテル街に入って行った。

見間違いかななんて思ったけど、ふと見えた横顔はやっぱり有岡くんで。

酷い焦燥感、嫉妬にかられた。

俺だけのものにしたい。

この気持ちは強くなる一方で、

今までは有岡くんの恋愛対象は女性だろうからと半ば諦めていた気持ちを封じ込めるのはやめた。

ねえ、有岡くんはさ。

その綺麗なカラダ、売ってるの？なんのために？

俺のものにしちゃ、だめ？

.