3 ページ3
会議室を飛び出した後も、私の涙は止まってくれなくて。
このまま、オフィスに戻るわけにもいかず、私は違う会議室に飛び込んだ。
第一会議室…。
四角形に並べられた長机には資料が並べられていて。
そういえば昨日奈々ちゃん達が会議の用意をしていたな、なんて思い出す。
「え、A？！？！……どうした？」
声をかけられて顔を上げると、そこには大貴がいて。
驚きのあまり、「ひっ」と声が出てしまった。
有岡「いや、ひっ、って。失礼だな……てか、まじでどうかした？」
大貴は眉を八の字に寄せると、私に駆け寄ってくる。
A「あ、ごめん、驚いちゃって……。大貴こそ、どうしてここに？」
有岡「え？ああ、この会議、俺のプレゼン会議だからさ、最終準備で…」
そうだったのか。
だから大貴と同じ部署である奈々ちゃん達が準備してたのか。
有岡「涙で顔がぐちゃぐちゃじゃん…。そんなに泣いてどうしたんだよ…」
大貴はスーツのポケットからハンカチを取り出すと、私の涙をそっと拭いた。
そして、私をふわりと優しく抱きしめて、頭をポンポンした。
有岡「………俺に言えないこと？」
私は大貴の顔を見れず、俯いたまま、首を軽く振った。
有岡「…A？？」
A「違うの、ごめん、なんか、いっぱいいっぱいなっちゃって」
有岡「え…まさか結婚のこと？」
A「ち、がうよ！仕事のことでちょっと色々…」
有岡「本当に仕事のこと？」
少し驚いて顔を上げると、大貴は私をジッとまっすぐに見つめてきた。
私の心の奥を見透かすような大貴の視線が耐えられなくて、思わず目をそらす。
有岡「A…。俺が必ず、必ず幸せにするから」
予想外の言葉が出てきて、私は顔を上げた。
黒目がちの大貴の瞳は潤んでいて。
有岡「俺だけを、ずっと見ててよ………」
そう言いながら、ギュウゥと強く抱きしめられた。
私を抱きしめた大貴の腕は、小さく震えていて。
大貴は、きっと……気づいてる。
どうしようもなく、胸が苦しくなって、また私の涙がこぼれた。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←Shige side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まいまい(プロフ) - 続きとても気になります。更新して下さると嬉しいです！ (2019年5月16日 21時) (
レス) id: 882b6c2c77 (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - totoko43さん» わわわぁ！！ありがとうございます…泣。この作品は私的には失敗作かなと思ってまして消そうかと考えていたのですが……そう言って頂けるととても嬉しいです。ちょっと修正等かけて続編書こうかなと勇気でてきました！嬉しいコメント、ありがとうございます！ (2019年5月15日 13時) (レス) id: d8c478152b (このIDを非表示/違反報告)
totoko43(プロフ) - はじめまして！こちらの作品とても好きなので、最後まで読めたら嬉しいなぁと勝手ながら思っています。今更新中の作品の方も楽しく読ませていただいてます(*^^*)これからも応援しています！！ (2019年5月13日 16時) (レス) id: d893b662b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏海 | 作成日時：2019年4月15日 2時
