WESTに密着取材中！

タイトル ページ1

A「…はあ。密着取材、ですか。」


「うん。それをパンフレットとして売り出していく形になるから。お願いできるかな？」



A「もちろん、お仕事頂けることはありがたいと思ってますので…」


「男性アイドルだからねー、色々面倒なこともあると思うけど」


A「はあ。」


「ジャニーズWESTって知ってる？」


A「まあ、名前くらいは。個人の名前までは分からないので勉強しておきます」



「Aさんって、ほんっと、ジャニーズとかそういうの興味ないよね〜」



フリーライターとして独立して早3年。

ありがたいことに仕事には恵まれていたし、仕事も途切れることもなかった。

それなりに売れっ子のライターとして、業界ではまぁまぁ名も知られていた。

そんな中に飛び込んできた今回の仕事。






「ジャニーズWESTの密着取材？！何それ！超羨ましいんだけど！！」



いわゆる根っからの「ジャニヲタ」である、親友の香織に今回の仕事のことを打ち明ける。

彼女は若い時には、KAT-TUNというグループの追っかけをやっていて。


現在は結婚して子供もいる専業主婦だが、いろんなグループを幅広く愛し、コンサートや舞台にも度々出向き、ジャニヲタライフを楽しんでいるそう。



香織「ジャニーズWESTかー。私は、淳太くん推しだなー！」


A「ん？淳太？」



香織「中間淳太、ね。グループ最年長で、年齢はうちらと変わんないよ」



香織はそう言うと持っていたスマホに何かしら打ち込むと、その画面を私に向けた。



A「へー。確かに綺麗な顔。意外と年いってるんだね」



香織からスマホを受け取り、出してくれた画像を見た。

そこには7人の男の子たちの集合写真。



やばい。

名前知らないな…。


この背の高い男の子2人は、なんか…ドラマかなんかで見たことあるような…。

色が黒いこの子は、朝ドラ…に出てたような？？


だめだ。

本当に彼らのことを知らなすぎる。





「彼らのことを知らない君だからこそ、選んだんだよ」



出版社のお偉い人がそう言ってたな。

それは事務所と出版社の担当編集者が話し合った結果らしいんだけど。


まあ、WESTファンでない人をライターとして選ぶことが第一条件で。

パンフレットを買うのは女性メインだから出来れば女性ライターが良くて。

ジャニーズに一切興味なければそれが一番良し、と。



そこで私をWEST専属ライターとして選んだ、とのことだった。

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