yarn (ページ10)

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レジのところで蹲った彼女を見た瞬間目がチカチカした。
まん丸く見開いた目に透明な涙が膜を張ってる。

泣いてる。誰が泣かせたんだ。あ口開けっぱだ可愛い。びっくりしてる。どうして座り込んでるの？ライブの時は髪の毛下ろしてたよね。俺のことわかる？ずっと探してたって言ったら困らせるかな。

心の中は饒舌で口に出せるわけないような感情が溢れる。

「い、いらっしゃいませ、」

目を強く擦ったあと立ち上がった彼女は軽く頭を下げた。

「…悲しいことでもあったの？」

もっと気の利いた言葉を言いたかったのに、どうしても泣いてる理由を知りたくて。君に泣いて欲しくなくて

彼女は気まずそうにはにかみながら頬をかいた。

「あなたこそ…疲れた顔してます。」

「僕のことわかるの？」

「そりゃ、もちろん。あ…この間のライブ行きました！ミンギュさんと目、合ったんですよ、！！勘違いかもなんですけど、」

「うん。知ってるよ。」

知ってるに決まってる。だってずっと会いたかったんだよ
勘違いなんかじゃない。