yarn (ページ7)

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彼女の優しそうなタレ目がちな瞳に自分が映っているのかと思うと心臓が鳴り出した。今までのライブでの身体を動かしていたからとかではなく何かの始まりを意味する様な心臓の音を感じながら目に映る彼女全てが愛おしく思えてきた。

分からない。風が吹いたのも気の所為かもしれないしなぜ初めて見たこの子を愛おしく思うのかも。でも俺を作る細胞全てがそう思うことが正しいと教えてくれる。

肩に強い衝撃を受け周りの音が一気に流れ込んできた。あまりにも同じところでピタッと止まったままだった俺にホシヒョンが肩を組んできたみたいだった。確かに彼女の周りがとんでもない盛り上がりを見せている。
ああ小柄なあの子が潰されそうだ。俺と並んだらどれくらいの差になるのだろう。と呆れ返ってしまう様なことを考えることが出来るくらいに俺の頭の中はスッキリと晴れていた。

つい数分までこのライブ会場の真ん中で自己嫌悪の気持ちに覆われていたというのに。

あの子は俺の運命の人だ。そんなふうに思えてしまう程にあの一瞬は何よりも確かな時間だった。

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