yarn (ページ11)

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「え」

驚く彼女に続けて言葉を零す。
「可愛いなって思った」

俺の言葉に頬をじわじわと赤みを増す彼女を見てればコンビニ入る前までのやさぐれた気持ちもさっぱり消えていた。

「また、会いに来るから。絶対だから」

まだ可愛い顔で俯く彼女を見ていたかったけど、メンバー全員を待たせてることを思い出しながらレジのカウンターに少し乗り出して言う。こっそり相手の胸元にある名札も確認しておく。パクさんね。

俺の言った言葉を必死に頭の中で咀嚼してるのか彼女がたっぷり10秒程フリーズした後確かに頷いたのを見届けて俺はコンビニを出た。遠くなる甘い香りを背に名残惜しい気持ちで小走りで車に向かう。

「あれ何も買わなかったの？」
手ぶらで車に乗り込む俺に不思議そうな顔で尋ねてくるミンハオにそれっぽい言い訳を返す。

「俺ミンギュにアイス買ってきてって送ったのに！」

相当アイスを食べたかったんだろうホシヒョンがほっぺた膨らませて携帯を指してくる。

ほんとだ。携帯を取り出しながら謝りハッと思い付く。連絡先聞いとけば良かった。会えたのに浮かれすぎて思いつかなかった。でも不思議とそこまで後悔してない。

だってまた会える確信はあったから。どこに住んでるかも何をしてるかもわからなかったのに、苗字と働いてる場所が分かったんだから。これだけ浮かれるのは許して欲しい。

俺たちきっとまた会えるんだから