俺、この世界から消えたみたいです

40 ページ40

完全に、一人ぼっちか…





あの時、みんなのこと追い出してなかったら何か変わってたかな…




あの時… あの時…



後悔ばっかりが頭をよぎる。


いつの間にか、涙が流れていることにも気づかなかった。



みんなに頼りたい、



でも、頼る相手もいない。





聞こえなくても、LINEならできんのかな。


涼介伊野尾ちゃん、このメッセージ。届いてる?

不安に思いながら、メッセージを送る。






…来ない、




やっぱ、届いてないのかな、




怖い…



そんな時だった。


ﾋﾟﾛﾝｯ


きた



伊野尾でーす山田?返事遅くなってごめんうん 届いてるよ さっき、大ちゃんが山田から電話かかってきたのに何も話さないって言ってたけど




良かった、





…やっぱ聞こえないんだ、



涼介伊野尾ちゃん、俺さ、みんなのこと見えなくなった、声も聞こえない。耳が聞こえなくなったとかじゃなくて、 この世界から消えたから、


伊野尾ちゃん…恐れてたことが、起こっちゃったか… 今から、行ってみるから 家の中に入っても俺の事見えなかったら また、LINEして



涼介分かった




少し、心が軽くなった。








まだ来ないのかな、




ﾋﾟﾛﾝｯ


伊野尾でーすごめん、今ついた 入るよ


ｶﾞﾁｬｯ




聞こえる、







でも、





誰も入ってこない





扉が勝手に開く





その瞬間。すぐに分かった。



本当に、見えないんだって、



確かにそこに存在してる人が、俺には見えないんだ。



涼介伊野尾ちゃん。ごめん、見えないや

41→←39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す