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レッド03 ページ43

「…ジャック、光くんはどの部屋に居るの?」

『……案内する。』



私は圭人くんと同じようにジャックを持ち上げ、ドアを開けて廊下に出た。
夜しか訪れないこの世界は、キャンドルと月明かりだけ。
いつも薄暗いこの廊下も見慣れればそうでもないけれど、やはり不気味だ。



私はジャックに言われるがままに足を進める。
広いこの大きな洋館の中、私は少し急ぎ足で向かう。


目指しているのは最上階。
大きな時計のある部屋だった。




螺旋階段をぐるぐる回りながら上へと進む。
暗闇の中、光っているジャックだけが頼り。



思ったよりも長いその階段をひたすら上る。
自慢ではないけれど、あまり体力のない私。


息切れしながら、更に上へと進む。




「っ……はぁ……はぁ……何これ、超長い…。」

『ちょっと休憩してからでいいぞ。……時計はハロウィンで一番大事なものだから、簡単に触れられる場所には置いてないんだ。』



「あっそ………よし、進むよ。」


完全とは行かずとも、呼吸を整え私はまた足を進める。





そうしてひたすら上ったのち、



「……到着…。」




階段を上るというだけで何歳か年を取った気分だった。

目の前の大きな扉。



全体重を掛けて押すと、重々しい扉が音を立てて開いた。

そして部屋の中には、


「Aちゃん!?」



皆が居た。





「どうして…待っててって言ったのに…。」

「ごめんなさい、どうしても気になっちゃって…。」



うなだれた後、顔を上げれば目の前には大きな時計があった。
その時計の針は止まっていて、それが人間の世界の時間なのだと分かる。




「心配してくれたんだね。」

圭人くんは私の頭を撫でた。


「Aちゃんは優しいね。」


待ってろと言われたのに無理やりやって来た私に対して怒るどころか優しく接してくれる彼に、なんだか複雑な気分になってしまう。



「光くんなら大丈夫。今はちょっと眠ってもらってるけど、すぐに起きるよ。」




「せっかく来てくれたのに申し訳ないけど、そろそろ戻ろうか。」


回れ右をして元来た道を見れば溜息。


今度は長い階段を下りなくてはいけない。



「…A、つかまってて。」


「え?…うわっ!!」


後ろから涼介くんが、軽々と私の身体を持ち上げた。


「お、降ろして…!」


螺旋階段。
真ん中に開いた暗い穴。


彼は私の意見に耳を傾けず、そこめがけて飛び降りた。

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春みかん(プロフ) - はい!!またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます!大好きなんてお言葉、私にはもったいないです!更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね! (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです!!更新頑張ってください! (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます!まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします! (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、!更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天凪 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年2月8日 23時

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