レッド02 ページ42
『使える魔法と持ってる魔力は魔法使いによって違うんだ。魔力は渡すことも奪う事も出来る。だから足りない分は貰うか奪うかで補うんだ。』
なるほど、と私が納得していると裕翔くんは会話を遮った。
「今は悠長に話してる場合じゃないんだよ!終わっちゃう…このままじゃ、ハロウィンが終わっちゃう…!」
「……ジャックとAちゃんはここで待ってて。皆は一緒に行こう!」
圭人くんの決断に全員が頷いて、私とジャックは言われた通り、ここで待つ。
「…それで、話の続きは?」
『…光は魔法使いの中でもトップクラスの魔術が使える。魔力さえ無限にあれば何だって出来るんだ。実は時間を止める魔法はかなりレベルが高い。このハロウィンの中でそれが出来るのは光だけなんだ。』
「…てことは、時間を止めるためには光くんが居ないと今の所は他に方法がないの?」
『そういう事になる。』
「…凄いんだね、光くんって。」
『裕翔はその逆だ。前にも言ったような気もするけど…、』
「裕翔くんは魔力が異常なくらい、あるんでしょ?」
『だけど魔術がほとんど使えない。だから自分の身を守ることすら出来ないんだ。だから光が守る代わりに、足りない魔力を貰ってる。』
そこまで言われれば馬鹿な私にも状況は理解できる。
要は魔力を分けてもらっているにも関わらず、魔力切れが起きている。
魔力が切れると魔法も切れ、魔法の力で止まっていたはずの時計は再び動き出してしまう。
その状況は理解できる。
しかし理解できないのは、どうしてそんな事が起こっているのか。
「何が原因とか無いの?」
『さぁ?こんなこと、初めてだからな。』
「…誰かの仕業、とか?」
以前、裕翔くんの魔力を狙った魔女が乱入してきたことがあった。
もし今回もそうだとすると、また何者かが入り込んでいることになるのだ。
その存在のせいで二度とハロウィンが出来なくなってしまったら、ここに居る人たちはどうするのだろう。
『いや、ここは大事な時計がある場所だから流石に結界は張ってるけどな。』
「じゃあ、その結界を破っちゃったってこと?」
『……違う気がする。』
そう答えたジャックを棚から持ち上げ、ソファに座る。
『俺はここの管理者だから。誰が入って来たとか出て行ったとか、そういうの全部分かんだよ。』
「じゃあ、今は誰も出入りしていない…?」
となると、一体誰が……?
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春みかん(プロフ) - はい!!またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます!大好きなんてお言葉、私にはもったいないです!更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね! (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです!!更新頑張ってください! (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます!まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします! (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、!更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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