レッド01 ページ41
「…嫌いなんだ？」
圭人くんが持っている籠の中の赤いソレ。
確かに賛否両論といったところ。
「私は好きなんだけどなぁ…。」
あくまでも私は。
と言えば二人の表情は曇りだす。
「そんなにダメ？」
一向に受け入れようとしない二人に何だか笑えてきてしまう。
それは好き嫌いをしている子供のようで、少し可愛くも見えた。
「好き嫌いは良くないよ？」
私も同じことを子供の頃に言われたことがある。
私にとって子供の頃は十年前の出来事。
だけど彼らにとっての十年はあっという間で、とても短いんだ。
「……私が、そっちに行ければいいのにね。」
もし私が永遠に不死身の身体を手に入れられたならいいのに。
そうすれば圭人くんはちゃんと解放される。
そうすれば大ちゃんや�睫擇�んは人間から寿命を分けて貰わなくてもいい。
そうすれば涼介くんや薮くんは血を探したりトマトを我慢することもない。
中途半端なまま元の世界で過ごすより、こっちの世界で過ごした方が絶対に有意義なのは分かっている。
なのに、伊野ちゃんや知念くんは止めるんだ。
どちらが合理的でどちらが最善なのか。
そんなの目に見えてるのに。
分かりきっているのに。
立ち尽くしたまま考えている私。
周りの皆は気づいているのか気付いていないのか。
誰も声は掛けてこなかった。
しかし、私の後ろの扉が突然勢いよく開いた。
「助けてっ!…光くんが!!!」
息を切らしながら入ってきたのは裕翔くんだった。
焦りと恐怖、それから不安。
一目で全ての感情が伺えた。
「どうしよ…俺……っ、本当に……何も…!」
焦りを隠せない口調。
ただ事ではない。
ここに居る全員が彼の方を見ていた。
「大丈夫だよ、一旦落ち着こう？」
トマトの入った籠を一旦置いて、裕翔くんの傍にそっと近づいた圭人くん。
優しい言葉で、裕翔くんを落ち着かせている。
「…何があったの？」
圭人くんがもう一度優しく語りかけた。
それに対し少し落ち着きを取り戻した裕翔くんが状況を話し始める。
「……力切れを起こしたんだ。だから早く行かないと…！」
『力切れぇ!?そんな訳ないだろ！最低でも10年は持つって聞いてたぞ？』
状況を聞いて私の横の棚に掛けられていたランタンが喋りはじめる。
私はジャックの方を見て首を傾げた。
それに気づいたジャックは私に説明をしてくれる。
『魔法使いには魔力が必要だって言ったよな？』
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春みかん(プロフ) - はい！！またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (
レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます！大好きなんてお言葉、私にはもったいないです！更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです！！更新頑張ってください！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます！まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします！ (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、！更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、！ (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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