キャスト04 ページ5
「……わぁ…!!」
演技としてでなく、心の底から感嘆の声を出した私。
目の前に広がるのは、彼がメインストリートと呼んだ場所。
広い通りの両脇には、たくさんの明かりの灯った建物が並んでいる。
「すごい…！」
心をときめかせる私。
まるで子供に返ったかのような好奇心。
両脇に並ぶ家はどれもオシャレなレンガ造り。
これもセットだと考えると今回の映画はとても手が込んでいる。
「Trick or Treat!!」
圭人さんは流暢にハロウィンの決まり文句を繰り返している。
そんな彼の横を離れないようにして私は歩く。
「Happy Halloween!!」
メインストリートの建物の一つの扉から誰かが出てきた。
けれどその顔は、
「ひぃっ!!!」
特殊メイクにも程があるでしょってくらいのゾンビメイク。
確か去年のハロウィンで、友達が私を驚かせようとして挑戦してたっけ？
結局あれはゾンビメイクとは言えない、何とも奇妙なものになってしまったけど…。
「今宵も素敵な夜にしてね！」
「圭人こそ、今年もよろしくね！」
……あれ？
何でこのゾンビメイクの彼女は、圭人さんの名前を知ってるの？
圭人さん、撮影が始まってからあの洋館から一歩も出てないよね？
……何だか、違和感。
さっきから感じてたそれ。
私は遂に正体を掴んでしまった。
……これ、ドッキリなんじゃない？
いや、確かに怪しいと思ってたよ。
だってアドリブ映画なんて実力未知数の新人ばかり集めてやるものなの？
違うよね！？
だからこれは新人を狙ったドッキリだ。
もし名演技が出来たら本物の映画に採用してやろう、みたいな？
てことは…もしかして、オーディション？
思考回路を必死に働かせ、思いつく限りのパターンを出していく。
……うん、やっぱりそうだよ。
一番有力な説は『ドッキリ説』だった。
じゃあそのドッキリ説、カットがかかるまで精一杯演じなきゃね。
そして華のデビューを手にして、夢の女優街道へ…いざ行かん!!
そんな愉快な思考回路を働かせ、私は必死に世界観に入り込もうとした。
・
・
・
しばらく歩いて、ようやくメインストリートの端まで到達した。
「うん、今年も異常なしだね。」
『さっそく光に報告だな！』
圭人さんとジャックは二人で話していた。
疎外感満載の私。
何とか輪に入りたいけれど、上手く行かない。
そんな時、彼の方から助け舟を出してくれた。
「戻ろっか。全部、説明してあげる。」
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春みかん(プロフ) - はい！！またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (
レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます！大好きなんてお言葉、私にはもったいないです！更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです！！更新頑張ってください！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます！まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします！ (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、！更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、！ (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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