キャスト03 ページ4
「ねぇAちゃんは何のモンスター?」
「人形です。圭人さんは?」
『人形族ー?まだ居たのかよ。しかも何でこんなとこに?』
「あ、ちょっとジャック!失礼なこと言わないで。」
………は?
一連の流れが理解できない。
一体何なの、これ。
目の前に居る圭人さんが持っているカボチャのランタンが喋った。
しかも音声だけじゃなくて、ちゃんと口も動いてる。
……すごい。
良く出来た小道具。
「ごめんね。この子はジャックっていうんだ。俺の相棒みたいなものだと思ってて。」
「うん、よろしくね。ジャックさん。」
『ケッ、人形族にさん付けで呼ばれるなんて性に合わねぇ。』
「……何か悪いことしちゃったかな?」
圭人さんは首を横に振った。
「人形族は滅多に出会えないからね。しかもジャックは過去に人形族の女の子と何かあったみたい。気にしないで。」
圭人さんについて行けば大丈夫かな?
「圭人さ」
「圭人ー!!」
重なるように響いた声。
声の主は姿を現した。
「あれ、新入りさん?」
「うん、人形族のAちゃん。」
「人形族!?マジで?本物初めて見た……。」
私をじろじろ見つめている長身の彼。
『裕翔、何か用事か?』
ジャックは彼を裕翔と呼んだ。
「あ、そうそう!時計の番人、光くんが一人でやってくれるって。だから俺は手が空いたんだ。何でも手伝うから言って?」
「うん、ありがとう。心強いよ。」
時計の番人?
光くん?
手が空いた?
私の知らない所でストーリーが進んでる…。
「あの、それって何?」
「焦らなくても分かるよ。一緒にメインストリートに行こう?全部教えてあげるから。」
それ以上、何も言い返せなくて私は頷いた。
「じゃあ俺は皆に声かけて適当に手伝ってくるね。」
「うん、よろしく。」
「何か優先することはある?」
「……特にないかな?メインストリートは俺が全部やるから。」
「ん、了解!」
「あ、分かってると思うけど薮ちゃんは最後ね?起こすのは完全に日が暮れてから。OK?」
「分かってるよ。任せて。」
走り去る裕翔さんを見届けて、圭人さんは言った。
「それじゃあ俺達も行こうか。今年も素敵なハロウィンになるよ!」
動揺一つ見せない他のキャストに私の安心感は増すが、それに比例して不安も増していった。
新人さんとはいえ、すごい演技力…。
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春みかん(プロフ) - はい!!またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます!大好きなんてお言葉、私にはもったいないです!更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね! (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです!!更新頑張ってください! (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます!まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします! (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、!更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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