トリック07 ページ27
「……やっぱり抵抗あるよね。」
既に落ち着きを失い、動揺している私を追い立てるように次から次へと出てくる情報。
怖い、逃げたい、聞きたくない。
私を支配する感情。
だけど何よりも強かったのは、
私は殺されてしまうの？という不安。
「過去を忘れろとは言わないけどね。それに悪いのは俺達じゃない。」
そこからも一言一句逃さずに話を聞いていた。
それは残酷なものだった。
しかし筋は通っていた。
人形族は非道で冷酷。
自由で傲慢。
この時に私の中である光が見えた。
『私が味方に付くのは、人形族じゃない。』
元々人間の私。
素直に人間だと言うのは危険が高い。
でも人形族を偽り続ければきっと時間の問題。
だから思いついた。
『彼らの味方になればいい。』
彼らの味方であることを何か知らの行動で示せばきっと信じてもらえるはずだ。
「……Aちゃんは、壊さないでおこうか。」
私にとって最大のチャンス。
『お前……正気か？』
「もちろん正気だよ。Aちゃんは人形族を知らない人形族なんだ。だからきっと大丈夫。」
『……いいのかよ、それで。』
「俺は賛成。」
「俺も。」
「うん。」
次々に聞こえてくる賛成の声。
しかし油断大敵という言葉があるくらいだ。
もしものために、それぞれのモンスターの対処法なんかも学んだ方がいい。
私はいつしか人形族よりも残酷な人間になっていた。
とりあえず生かされることが確定した今、ここに居る意味はない。
この洋館のこともあまり知らないし、また明日ちゃんと聞いてみよう。
だから今は大人しく何も知らないふりして部屋に戻ろう。
少しだけ距離のある長い通路を通っていたその時、
「こんばんは、お嬢さん。」
絶対にありえない女性の声。
「……。」
私は振り向かなかった。
いや、振り向けなかったの方が正しいのかもしれない。
「素敵なハロウィンね。」
近づく足音。
「や……めっ…!!」
謎の声の正体はすぐに姿を現した。
黒いロングワンピースに黒い大きな三角帽。
本の中でしか見た事のない、魔女。
高笑いして、私の顔を覗き込んだ。
「あら、泣きそうな顔してるわねぇ。」
自分の表情がどうかなんて、関係なかった。
感じなかったはずの恐怖が闇夜を裂いて襲い掛かる。
「……きゃぁぁぁぁ!!!!」
その恐怖は口から飛び出し、目の前の魔女は楽しげな笑みを浮かべた。
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春みかん(プロフ) - はい！！またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (
レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます！大好きなんてお言葉、私にはもったいないです！更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです！！更新頑張ってください！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます！まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします！ (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、！更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、！ (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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