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トリック06 ページ26

私はどうしても寝付けなくて、部屋の中を行ったり来たりしていた。
ずっと夜の世界。
人間なら夜は寝ている時間。


だけど待てど暮らせど昇らない陽に、私の生活リズムは狂っていたのかもしれない。
元々夜更かしをする方でもなかったし、規則正しい生活を送っていたことが自慢の私にとっては一大事。

これを言ってしまえば何だけど、事務所のオーディションの時に審査員に『継続してやっていることはありますか?』と聞かれた際も『規則正しい生活です』などと馬鹿げたことを言ったのを今でも覚えている。



人間の世界の時計は光くんの手によって止められたままだけど、こっちの世界の時間を示す時計は8時を指していた。


そもそも8時に寝る人間は少ないけれど、これは私から名乗り出た事。
少し疲れたので早めに休むって言ったのは私だ。


やっぱりダメだな、作戦変更。
この世界に早く馴染むために、もっと情報が欲しくて。
私は部屋を抜け出し、あの大広間へと向かった。


この時間ならまだ皆が起きていても全然不思議ではない。
近づく大広間。
確かに声が聞こえる。
良かった、まだ起きている。


何を話しているのかは聞こえないけど、私も参加させてもらおう。



そして扉を開けようとしたその時、


「……Aって、一体何者なの?」


思わず手を止めた。
聞いてはいけないことだと分かっていた。

だけど人間って不思議なもので、禁止だと言われていることほどやりたくなってしまう。


「分からないんだよね。今年、人形族が増えるなんてシナリオはどこにもないし。」


次いで聞こえた圭人くんの声。
私はそっと扉から手を離した。


「…何が目的なのか分からないけど、今は様子を見てた方がいいかな?」

「何か……変じゃない?」


知念くんの疑いの声。
疑われるのが無理はない。


「……あの子、何か怖い。」

「……イレギュラーだね。」

次々と聞こえてくる私についての意見。
本当は怖かった。
だけどどうしても逃げられなかった。


私はこの舞台の主役だ。
最後まで、最後の最後まで演じ続けなくてはいけない。


私は人形のごとく表情を変えず、感情を表に出さず、その会話を聞いていた。


「皆は、どうしたい?」

「どうしたいって…?」

「彼女を仲間として迎え入れるか、『あの子たち』みたいに『壊す』か。」


……!?

今、壊すって言った?

壊すって、人形を?
あの子達って、人形族の子達だよね?

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春みかん(プロフ) - はい!!またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます!大好きなんてお言葉、私にはもったいないです!更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね! (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです!!更新頑張ってください! (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます!まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします! (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、!更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天凪 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年2月8日 23時

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