ファースト02 ページ11
「えっ…と。」
「簡単に説明すると、さっき確認しに行った町に出て年に一回のハロウィンを楽しむんだよ。もちろんモンスターの仕事も忘れずにね?」
彼の言ったモンスターの仕事。
その意味をちゃんと理解していなかった。
「一応、皆は行っちゃうんだけどここで待ってるっていうのもいいよ。長旅だったなら休んでいてくれればいいし。」
この世界を良く知るためにはもちろん私も同行するべきなんだろうけど……。
「休ませてもらいます…。」
「そっか。うん、ゆっくり休んで。それと、敬語もやめていいよ。しんどいでしょ?」
「……ありがとう。」
「どういたしまして。隣の部屋は図書室になってるから、興味があったら立ち寄ってみて?」
圭人くん(…でいいのかな?)は右手に不気味な光を発するカボチャ、ジャックを持つと部屋を出た。
一人きりになった空間。
さっきまでの雰囲気が嘘みたいに消え去った。
夜の洋館(あくまでセットだけど)に一人。
私はその広間を出て言われた通り、隣の図書室に向かった。
ギィ……
不快な軋む音が木霊する図書室に一歩、足を踏み入れた。
「……凄い数…。」
そこにあったのは私より遥かに高い本棚がたくさん。
その棚には様々な本が所狭しとぎっしり詰め込まれていた。
「……。」
そっと手を触れたその本のタイトルは、『Halloween's Monster』
ハロウィンの魔物たち、でいいのかな?
いざ取り出してみると少し古そうな本。
本の数はかなりあるけれど、一冊一冊に手が込んでいて、改めてすごいセットだなと思う。
美術さんのセンスを心の底から敬いたくなる…。
相変わらず引きずっているのは美術の思い出。
『化け猫の類ね。』
……あーっ!もう!
思い出しただけでムシャクシャするこのやり場のない気持ち!
ってか化け猫ならさっき見たわ!
化けてはないけど、黒猫を2匹ほど!…あれ、2人!?
…もう、どっちでもいいや。
勢いに任せて表紙をめくった。
そこに現れたのは目次。
ゴースト、魔法使い、黒猫、ゾンビ、ヴァンパイア、ミイラ男、フランケンシュタイン、死神、人形……
そこに書かれていたのはたくさんのモンスターの名前。
……意外とセットもしっかりしてるんだね。
本物の本を使ってるとは…。
…もしかしたら、この本の中に私のまだつかめていないモンスターのヒントが隠されているのかも。
私はその本を読むことに決めた。
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春みかん(プロフ) - はい!!またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます!大好きなんてお言葉、私にはもったいないです!更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね! (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです!!更新頑張ってください! (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます!まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします! (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、!更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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