キャスト01 ページ2
初めてにしての超大作。
台本のない映画なんて不安で不安で仕方ない。
しかも役だけ言い渡されてその他は私に任せるって言われたって正直、何をすればいいのか分からない。
これで失敗したらお先真っ暗だな…。
さよなら、私の華の舞台。
キャストは全員新人。
私よりすごい人なんか沢山いる。
沢山って…そもそもキャストすら分かんないのに、どれだけいるかなんて聞かされてない。
・
・
「一条Aです。よろしくお願いします…!」
「初めまして、オファーを受けてくれてありがとう。衣装はこっちで用意してるから、早速着替えてもらえる？」
「はい！」
「それと撮影なんだけど、カメラは全部隠してあるから。もしカメラを見つけても変に意識しないでほしい。そして本番は一発勝負。何があってもカットがかかるまで続けてほしい。」
「……分かりました。」
「リラックスしていいよ。大丈夫。何かあったらこっちで助っ人を用意してあるから。」
あ、助っ人さん居るんだ…。
その言葉を聞くだけで私の肩は数段軽くなった。
「それじゃあ早速準備してきて。」
私は従順な小学生みたいに衣装を持って更衣室の中に入る。
更衣室の中には誰もいなくて現場に来てもキャストと顔合わせできないことが余計に不安を募らせた。
「大丈夫だよ。せっかくのチャンス、無駄にしたくない！」
これが吉と出るか凶と出るか。
一発勝負。
大丈夫だ。
私はピンチに強いんだから。
「着替え終わりました。」
更衣室を出ると、
「……え。」
そこにはさっきまでいたスタッフさんの姿が誰一人として見当たらない。
私はやたらとフリルのついた動きにくいワンピースの裾を持って更衣室を飛び出した。
少し高めのヒールのせいで思うように進めない。
辺りは少しずつ暗くなり始めていた。
「……洋館。」
目の前に大きな洋館がそびえたつ。
その洋館は辺りが暗くなったことでライトアップされ、不気味さすら感じられる。
もしかして、撮影が始まってしまっているのだろうか。
この洋館の中で？
だとしたら大変だ。
私は動きにくい衣装を恨みながらも洋館の中へ一歩足を踏み入れた。
「……？」
しかし洋館の中は真っ暗。
外はあんなにライトアップされているのに、おかしい。
近づく夜に不気味な洋館。
十分リアルで怖い。
だけど私はやらなきゃいけない。
完璧に『主役』を演じきらなくてはならない。
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春みかん(プロフ) - はい！！またお邪魔します(*’▽’) (2016年3月10日 22時) (
レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - 春みかんさん» ありがとうございます！大好きなんてお言葉、私にはもったいないです！更新頑張ります。またお時間がありましたらコメント欄にも遊びに来てくださいね！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
春みかん(プロフ) - この小説大好きです！！更新頑張ってください！ (2016年3月9日 22時) (レス) id: fc4caac89c (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - なる.さん» ありがとうございます！まだまだ至らない点も多いですが、最後までよろしくお願いします！ (2016年3月7日 7時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
なる.(プロフ) - この作品、すっごく面白いです、！更新頑張ってくださいさい。楽しみにしてます、！ (2016年3月7日 6時) (レス) id: 1c30441fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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