血 ページ12
歪められた目を見て背筋にぞわりと寒気が走る。
体が震えて、歯がカチカチと音を立てた。
……怖い、この人は……普通じゃない…。
琥珀色の目に映る私は青ざめていた。
私の目の前に立つその人はまだ少年と言ってもいいくらい若くて、華奢な体つきだった。
「おい、どうすんだ！」
ヴィランの一人が少年に怒鳴る。
少年は私から目をそらして後ろを向いた。
「うーん、どうしよっかー？」
間延びした喋り方は、親しみやすさよりも薄気味悪さを感じさせる。
「あー、君らは役立たずだからここで消えてもらうよ」
「ッッ！？
ふざけんなっ！」
一番前にいたヴィランの男が少年の胸ぐらを掴む。
「やめてよ」
少年は手を横に薙ぐ。
その手には刃渡り30cmはあるナイフが握られていて、刃には赤い血が付いていた。
「ぐっ！！てめぇ！！」
男は切られた腕を庇いながら少年に殴りかかる。
しかし少年は少し身を屈めて男の懐に入り、右胸の辺りに手を当てる。
ブシャッッ、という破裂音がしてから地面に血が広がった。
『う……あ…あ、あぁ……』
私の口から声にならない声が漏れる。
男の懐から1歩後ろに下がった少年の手にあったのは
本や教科書で見たことのある、人間の臓器である肺だった。
「あああぁぁ！！！」
男は悲鳴をあげながら体を前傾にする。
その口から溢れ出すように血が床に落ちていく。
「バイバイ」
少年は手に持っていた肺をナイフで刺す。
その瞬間男は糸が切れたように倒れた。
「な……なんだよコイツ！」
「早く逃げろッッ！！」
今までの流れをただ呆然と見ていたほかのヴィラン達は、顔を青ざめさせながら階段を降りるために部屋から出ようとする。
「ダメだよ」
しかし少年が目にも止まらぬ早さでその道を塞いだ。
「うあああああっっ！！」
ヴィランの一人が少年に襲いかかる。
″個性″であろう鋭い爪が青年に迫るが、ナイフで手首を刺された。
少年はさっきと同じようにヴィランの腹に手を当てる。
すると今度は少年の手には胃が握られていた。
少年がそれを握りつぶすとヴィランが倒れる。
他のヴィランは恐怖からか動かない。
その間に少年は次々にヴィランをナイフで傷つけ、体に手を当て、何かしらの臓器を手に持ち、握りつぶしたり、ナイフで刺したりした。
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jumpcontrolbear(プロフ) - コメントありがとうございます！！更新の励みになります！！絵も拝見させて頂きました！！まさか描いていただける日が来るなんて！！凄く感動してます！イメージ通りでした！これからも更新頑張るので楽しみにしていてください！！ (2018年7月7日 0時) (
レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - 面白いです！続き楽しみにしてます！あと、よろしければ勝手ながら夢主ちゃんのイラストをモノクロですが描かせていただきましたのでよかったら見に来てください(><) (2018年7月5日 15時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - AAaさん» すいません！外したつもりになってました、すぐに外します！ (2017年12月26日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
AAa - 色々作ってるならオリフラわかりますよねすぐ外して下さい (2017年12月26日 20時) (レス) id: 6acbffbb3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2017年12月26日 17時
