178針 ページ38
『…真逆、そこまで桜庭さんが私の心配をしてくれてるとは思いませんでした…』
口を開け、Aは幼い子供じみた顔つきで桜庭を見上げる。
「俺にとって貴方は憧れに近い存在ですからね。
出来ることなら今すぐにでもマフィアに戻ってきて頂きたいくらいです」
桜庭の言葉にAは苦笑してから軽く首を振った。
『その事については今は置いておきましょう。
話を戻します。
与謝野さんに怪我を治してもらう、ねぇ…』
視線を落としたAは、左の脇腹に軽く手を添えて一息吐く。
『その前に、外の状況を詳しく教えてもらえますか？』
「どうぞ、こちらを」
再び桜庭に目を向けたAに、桜庭はすかさずタブレットを渡す。
再生のマークを押すと、あるひとつの動画が流れ始めた。
「ハァイ！めちゃくちゃご機嫌よう！探偵社の諸君！
君たちに「四つ」情報を伝える！──」
ピエロのような格好をした若い男の両脇には、顔を覆い隠し機関銃を手に持った二人。
そして目を隠され拘束されている男が四人。
『この人たちは…政府関係者…』
ピエロの男が告げた情報は三つ。
一つ、政府の人間を鎖鋸の機械で拘束。
二つ、探偵社以外の人間が踏み込めば即座に機械が作動。
三つ、鎖鋸が起動するのは十八時丁度。
『探偵社の皆さんは要求通りこの場所に向かい、そして……』
「ええ、《天人五衰》は探偵者である、と人質だった男が軍警に。
それにより探偵社は現在、指名手配されています」
『ありがとうございます。
概ね私の予想通りになっていたわけですね』
Aは眉を寄せて苦々しい表情を浮かべると、また何かを考え込んでいるのか黙ってしまった。
『(どうするべきか…《天人五衰》が探偵社である、という事実は何かによって作られた事実だ…。
そんなことが出来るのは……あの「本」だけ。
書いた内容が物語的整合性が持たれていれば、どんな内容でも現実となる…)』
ギュッ、と強く握られたAの手が微かに震えている。
『(そもそもフィッツジェラルドだって恐らくあの「本」を求めてこの街に来た…《天人五衰》の狙いも……その「本」だとして…。
なんだってどいつもこいつもあの「本」を……)』
スッとAの顔から表情が消え失せた。
「……東野参謀…？」
『余計なことをぐちゃぐちゃ考えるのは後にします。
……桜庭さん、森さんと探偵社の皆さんに伝言をお願いします』
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jumpcontrolbear(プロフ) - 砂漠のうさぎさん» コメントありがとうございます！なんと！！私の知らないところでこの作品の名前が上がっていたんですね！嬉しい限りです！！更新ゆっくりですが頑張っていきます！ありがとうございます！ (2019年10月21日 0時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - あるユーザーさんの紹介から飛んできて一気読みしました。原作の雰囲気を崩さないで新しいキャラが動いていて凄いと思いました。話の展開とか言葉のチョイスとかとても好みです…更新楽しみにしてます、頑張ってください！長文失礼しました (2019年10月20日 21時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！！あけましておめでとうございます！！また動くみんなを見ることが出来ますね！相変わらずの亀さん更新ですがよろしくお願いします！ (2019年1月5日 23時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
桜 - あけおめです！今年ほ更新頑張ってください！作者さん文スト3期4月放送ですよ！来ましたよ！！いろいろと大変かもれませんが頑張ってください！ (2019年1月5日 1時) (レス) id: c482d4ca60 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます！！番外編も読んでくださったんですね…(感涙)楽しんでもらえてなによりです！！亀更新ですが頑張りますので気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (2018年11月22日 9時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2017年8月31日 11時
