使い方 ページ42
セメントスによって、体育館内にいくつかの高台が作られる。
そしてその台にエクトプラズムの分身が降り立つ。
「つまりこれから始業式まで…残り十日余りの夏休みは″個性″を伸ばしつつ必殺技を編み出す──…圧縮訓練となる！」
一瞬で作られた自分たちの練習場と指導者。
「尚″個性″の伸びや技の性質に合わせてコスチュームの改良も並行して考えていくように。
プルスウルトラの精神で乗り越えろ、準備はいいか？」
「──…ワクワクしてきたぁ!!」
説明を聞いてうずうずとしていた生徒達は一斉に自分専用の場所へと散っていった。
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サーベルとエクトプラズムの足がぶつかり合って金属音が鳴り響く。
『(圧縮……からの、暴発!!)』
Aは足元の空気を操って飛び上がる。
そのままエクトプラズムの後ろに降りると、背後からサーベルを振るった。
しかしキン！と音がしてまたサーベルが弾かれた。
「″個性″ノ使イ方ハ悪クナイガ予想サレヤスイ動キダ。
モウ少シ使イ方ヲ工夫シタ方ガイイ」
『…なるほど、分かりました』
Aはサーベルを仕舞って唸る。
『使い方の工夫…、″個性″伸ばしみたいに出来ないことを出来るようにした方が良いですかね？』
「フム、確カニ出来ルコトハ多クアッタ方ガイイガ、自分ノ今出来ルコトヲ更ニ伸バスコトモ大事ダ」
『う〜ん？？』
エクトプラズムの返事にAは益々難しそうな表情を浮かべた。
試しにAはサーベルの斬撃を空気に乗せて飛ばす。
近くの壁に亀裂が入った。
『(これはよく使うやり方だけど、決定打に欠けるよな…他に何か、違った使い方を作れば…)』
考え込んでいたA。
その横で突然
BOOOM!!!!
大きな爆発と熱風が吹き抜けた。
「うおッッ!!爆豪危ねーだろ!!」
「威力もう少し抑えてよ!!」
「うるせぇ!!知るか!!」
その爆発は言わずもがな爆豪によるもので、周辺にいた瀬呂や葉隠が抗議する。
「つーか、一番近かったのAだろ!!
おーい、A大丈夫か!?」
上鳴が煙の中に向かって叫ぶ。
『…勝己くん、ギリギリだったよ…』
煙が少しずつ晴れていくと、そこには掌を前に向けたAが呆れていた。
「うっせぇ!!ボケっとしてんじゃねぇよッッ!!」
『えぇ〜…相変わらずだなぁ…。
というか″壁″作って無かったら私怪我してた──』
そこまで言って、Aの言葉が不自然に止まった。
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作者名：だし丸 | 作成日時：2019年9月4日 14時
