守るべき未来 ページ20
No side
付けたままのテレビでは記者会見の様子がずっと流されていた。
「未来を侵されることが″最悪″だと考えております」
「攫われた爆豪くん、そして空間さんについても同じ事が言えますか？」
記者の一人が険しい顔つきで質問をした。
「爆豪くんは体育祭優勝、ヘドロ事件では強力な敵に単身抵抗を続け、経歴こそタフなヒーロー性を感じさせますが…反面決勝で見せた粗暴さや表彰式に至るまでの態度など精神面の不安定さも散見されています。
更に空間さんに関しては幼少の頃、今回襲撃を行ったグループの一人と接点があり、その際に敵の″個性″により身体的、精神的デメリットを負ってしまっている。
もしそこに目をつけた上での拉致だとしたら？
言葉巧みに爆豪くんを勾引かし、空間さんがデメリットを逆手に取られ、彼らが悪の道に染まってしまったら？
未来があると言い切れる根拠をお聞かせ下さい」
高圧的な態度を取る記者に、相澤の横に立っているブラドは横目で相澤の顔色を伺った。
「(いかんぞ…恐らくイレイザーのメディア嫌いを知っての挑発！
ダメだ乗るな──…！)」
ス…と、静かに頭を下げる相澤。
「行動については私の不徳致すところです。
ただ…体育祭での
誰よりも″トップヒーロー″を追い求め…もがいている。
あれを見て″隙″と捉えたのなら敵は浅はかであると私は考えております」
相澤の答えにザワつく記者たち。
「──我々も手を拱いているワケではありません。
現在警察と共に調査を進めております。
我が校の生徒は必ず取り戻します」
「ハッ、言ってくれるな雄英も先生も…そういうこったクソカス連合!」
『私は絶対に
各々敵連合を睨みつける爆豪とA。
「言っとくが、俺もそこのカスもまだ戦闘許可解けてねえぞ」
『力づくでもここから出させてもらう』
「自分の立場…よく分かってるわね…小賢しい子たち！」
「刺しましょう！」
「いや…馬鹿だろ」
「その気がねえなら懐柔されたフリでもしときゃいいものを…やっちまったな」
「したくねーモンは嘘でもしねんだよ俺ァ」
『たとえ一時でも敵になるなんて、私のプライドが許せない』
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作者名：だし丸 | 作成日時：2019年9月4日 14時
