【文豪ストレイドッグス】蜂の在り処 (ページ10)

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現在の時刻は8時30分

敦くんを探偵社に入れるという治くんの発言から一夜があけた。

私は自分の部屋で身支度を整えている真っ最中。

朝に弱い私にしては早く起きれた方だと思う。

不意にブーッブーッと携帯の着信音が耳に入る。

『はい、もしもし？』

「やぁ、Aおはよう！」

電話の相手は治くん。

『おはようございます、治くん
朝から何の用？』

「いや、実はね今とっても困ってるんだ」

『ちょっと待って、中ててあげる
どうせ治くんのことだから、またなんか自殺できる方法を試しているんでしょう？
この前治くんの本にちらっと見えた方法で簡単にできるものとしたら……
ドラム缶の方法かな？』

「おっ！さすがAだ！よくわかってるじゃないか！」

『で、やってみたはいいけどどうせ苦しくなるだけで死ねないから助けて欲しい、ということかな？』

「うん、助けて」

『残念だけど私にはこれから朝イチで仕事があるの
だから敦くんに頼んでみたらどう？
今日の入社試験も治くんが敦くんを連れ出す係でしょ』

「まぁ、確かにそうなのだけれどね
でも意外とこの体制がキツ」

『じゃあ治くん、敦くんのことよろしくね』

最後の方はちゃんと言葉を聞かずに切ってやった。

私の清々しい朝を邪魔した罰だ！

とりあえず支度をすべて終えコーヒーを淹れながら資料に目を通す。

ギャングが一般人に手を出した、というトラブルがあったようでその処理を任された。

要はギャングをフルボッコにしろ、という依頼内容だ。

私の得意分野だね！！

コーヒーを飲み終えたところでグレーの外套を羽織って家を出る。

目的地に向かいながら敦くんの入社試験のことについて考えていた。

大体の概要は昨日のうちに知らされていたからわかっているけど大丈夫かなぁ？

中々むちゃくちゃなシチュエーションを考えたもんだ。

まぁ今回は私にはやることがないのでこうして他の仕事を任された。

終わったあとは一階の「うずまき」に行くだろうし、私も仕事が終わったら行こう！

なんて考えてたら目的地に到着した。

ドアの前に立って腰にさしてある兜割を鞘から抜く。

この程度の相手なら異能力を使うまでも無い。

というか我ながら思うが、正面突破なんて中々やる人居ないよなぁ……。

……ま、いっかさっさと終わらせよ！

私はドアノブを握ってドアを開け中に入った。