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45針 ページ46

「これから大きな仕事が入るからAに教えるだけで手一杯なんだよ。」

草田男はさっきまでの暗い雰囲気を失くし紅葉と中原に申し訳なさそうに言った。


「それは残念じゃ。
ならこの子の体術は他の構成員に頼むとするか。」


ではな、と言って去ろうとした紅葉を草田男は「いや、待って!」と引き留める。



「要は中也に体術を学ばせたいんだろ?」


「そうじゃが。」


草田男はにやりと笑ってAを見る。

『?』

草田男はAの頭に手を乗せて


「ならこいつに教えてもらえ。」

と、Aの頭を軽く叩く。


『えぇ!?』

「ほう?」

「はぁ?」


A、紅葉、中原は同時に驚愕の声を上げる。


「草田男に教わったAに教わる、か。
それなら大丈夫じゃろうな。
さっきの立ち回りや体の動きは草田男そっくりじゃった。」


紅葉は関心しながらうんうんと頷く。


しかしこれに反対の声を上げた中原

「ちょっと待て!
俺は草田男さんに教わりたいんだ!
なんでこんなチビでしかも俺よりも弱そうなこいつに教わらなきゃならないんだよ!!」

中原はAを指さして怒鳴る。


「おいおい、中也。
Aは俺が教えたんだぞ?そいつが弱いわけあるか。
それに、Aの方見ろ。」


「?……うっ!」


中原は言われた通りAの方を向く。


そこには眉間に皺をよせて中原を睨んでいるAがいた。


Aがポートマフィアに来て初めて「怒り」を露わにした表情に草田男は面白そうに言った。


「Aが怒るなんて珍しいぞ。
なぁ中也、こうしよう。今からお前とAで闘ってみろ。
そこで中也が勝ったら俺が教えてやる。
けどAが勝ったら大人しくAに教われ。」


「う…分かった……。」


「Aはそれでいいか?」


『はい、もちろんです。』

Aはこくりと頷き静かに言った。


「紅葉は?」

「おぬしらの好きにするといい。」

紅葉はでニッコリ笑う。



草田男はAに近づき

「異能力は無しだ、中也もな。

A、いつも通り俺を相手にしてる時と同じでいい。
うるさく吠えるやつには力の差でねじ伏せろ。
お前は俺が唯一教えた奴だ、遠慮はするなよ。」


後半、Aに向かってコソコソと話す草田男。

『はい』

Aは中原に体を向ける。

「中也、1つ忠告しておく。
Aには俺の体術を全て教えた。
こいつは………強いぞ。」

草田男は静かに笑う。

後日談によるとこの時の草田男の目は笑ってなかったという。

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年2月3日 0時

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