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30針 ページ31

時は遡り人売り場にて
草田男 side

今日は首領からの命令で、最近裏で噂になっている人売り場に行くことになった。

その人売りは裏の経済をひっちゃかめっちゃかにしてくれたらしく、ポートマフィアとしてはよろしくない。

そこで俺が呼び出され行くことになった。



意外なことに普段腰の重い首領が自分も行くと言って隣に座っていることが不思議でたまらない。


「首領、中村参謀、到着しました。」

車を運転していた男が言う。

俺は車から降り、ジャケットの内側から無線機を取り出す。


「1、2班は正面の方向に隠れていろ。
3、4班は裏に回って待機。
全員俺が合図をしたら中に突入しろ、生存者は残すな。客もだ。」


それだけ言うと俺は無線を切って、首領と共に中に入る。



中はサーカスのような造りだった。
真ん中に小さなステージがあり、その周りを客席が囲んでいる。


周りを見渡すと結構な人数の客が居た。
年齢層はバラバラで老人から若い女までいる。


俺と首領は1番後ろの見渡しの良い席に座り始まるのを待った。






30分ほどして会場の照明が暗くなる。
すぐにステージにスポットライトがあたり明るくなる。


「皆様、足をお運びいただきありがとうございます!
本日も多種多様な人間を紹介いたします。
是非お楽しみください!」


司会の男がマイクを持って喋る。


そしてすぐステージに箱が運ばれてくる。
最初に紹介されたのは20代後半ぐらいの男だった。

箱の中のその男の目に生気はなく顔色も悪かった。

司会者が値段を聞くと客は次から次へと金を積んでいく。
結局その男は580万で売られた。


あんな男買ってどうするんだ………。


そんな感じで5、6人が売られていった。


つまらなかったので途中から聞き流していた。
すると司会者が急に声を張り上げた。


「皆様!お待たせいたしました!!


本日の大目玉でございます!」

やっと終わるのかと思い椅子に座りなおす。


「それでは本日の大目玉はコチラです!!」

司会者がバッと箱にかぶっていた布を取り去る。
中にいたのは灰色の髪の女の子だった。

目隠しをされて手と首を鎖で拘束されている。


あんな子供まで売りに出すのか……可哀想に。


大目玉が普通の女の子だったことに内心少しガッカリしながら、周りの成り行きに目を向けた。


司会者が値段を聞き、最高額で買われる。



同じ流れだと思っていた俺の思考は司会者の次の言葉で引き戻された。


「この少女は異能力者です!!」

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年2月3日 0時

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