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21針 ページ22

やっと片付けや後始末が終わった。


『ふー、つっかれた〜!』


その場で大きく伸びをして腰を伸ばす。

敦くんと乱歩さんはだいぶ前に依頼された場所に向かい、国木田さんと賢治くんは備品を買いに街に行った。


「Aお疲れ様、お茶いれといたよ」


与謝野さんがお茶を出してくれた。
ソファに座って小休憩をする。


「あんたこの後、下に行くんだろ?
給湯室の棚に最中が入ってたからそれ持っていきな。」


与謝野さんは私の前に座って足を組む。
大人の色気がすごい……。


『ありがとうございます!
じゃあそれを持っていかせていただきますね。』


お茶を飲みながら気になっていたことを与謝野さんに聞いてみる。


『谷崎兄妹の様子はどうですか?』


与謝野さんはあぁ、と呟くとにやりと笑って


「2人ともピンピンしてるさ、まだ完全じゃあないけどねぇ。
あと1、2回は治療するよ。」


『あはは………』


与謝野さんの笑顔が本気で怖かった…………。


小休憩が終わったあと書類の最終確認を終わらせて最中を持って下に行った。




『この度はお騒がせして申し訳ありません。』

「いえいえ、毎度のことですからこちらも慣れてきましたよ。」


2階の法律事務所の人にぺこぺこと頭を下げる。


「東野さんもお若いのに大変ですねぇ。」

事務所の初老の女性が頬に手を当てて言ってくれたが

『仕事ですから!』

と言ってそそくさとその場を後にした。



あのまま立ち話はゴメンだ………。



そのまま下に降りて1階の喫茶店うずまきに入る。

中に入ると珈琲のいい香りがする。

「あら、Aちゃんじゃない!」


喫茶店で働いてるおばさんが声をかけてくれた。
カウンターの奥にいるマスターも目が合うとペコリとお辞儀をしてくれた。

『先程はお騒がせして申し訳ありませんでした。』

最中を渡しながら頭を下げる。


「やだAちゃん、わざわざありがとうね」


喫茶店うずまきは探偵社員もよく憩いの場として使わせてもらっているので申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「あんまり気にしなくていいのよ〜。
大丈夫?怪我した人とかいなかった?」


優しいおばさんはいつも探偵社員のことを気にかけてくれる。


『はい、みんな怪我一つなく元気ですよ!』


「それは良かったわ!
またみんなでマスターの珈琲飲みに来て頂戴!」


『はい!!』

そう言ってうずまきを出る。


「あ!Aさん!」

外に出ると聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ。

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年2月3日 0時

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