2針 ページ3
A side
みなさんは今まで会った人の中に、仕事中に軽いノリで入水する、という人はいたでしょうか？
普通ならいるはずはない。
でも私にはいるんです。1人だけ。
「おい！A！見つかったか！？」
『いませんね、多分川に流されて下流の方まで行っちゃいました』
今、何をしているかと云うと
数分前に「良い川だね」なんて云って川に飛び込んだ仕事仲間を探しています。
「くそっ！あの迷惑男め！！」
そう言って仕事の先輩、「国木田独歩」は下流の方に走り出した。
もちろん私も国木田さんのあとを追う。
5ヶ月ほど前に日本中の旅から戻ってきた私は今、ヨコハマの探偵社に身を置いてる。
その中でも1番困っていることが仕事仲間約1名が自由人すぎること。
『あっ！国木田さん！いましたよ！』
だいぶ下流の方に来た時、反対側に目的の人物と白髪の少年？がいた。
疲れた………
本当にあの人は相変わらず過ぎて…。
怒りを通り越してむしろこちらが清々しく思えてしまう。
「おォーい、こんな処に居ったか唐変木！」
国木田さんが対岸に向かって声をかけると呑気に
「おー、
国木田くん、A、ご苦労様」
なんて云っている。
誰が苦労をかけたのだと思ってるのだろうか……。
そんな私の気持ちを代弁するように国木田さんがものすごい剣幕で怒鳴ってる。
それにしても横にいる白髪の少年は誰だろう？
そんなことを考えていると何やらあの少年のご飯を国木田さんが奢る、という話になった。
しかも少年は茶漬けを食べたいなんて言ってるし………
ことの発端人は少年の発言に大笑いしてる
『はぁ……とりあえずはやくこちらに来て！
治くん！！』
そう声をかけると治くん、「太宰治」は少年に
「じゃあ、行こうか」
なんて声を掛けた。
いや、というかあなた達はどうやって知り合ったんだ？
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作者名：だし丸 | 作成日時：2017年2月3日 0時
