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19針 ページ20

ガガガガと銃の乱射する音が部屋に響き渡る。


机の陰に隠れて銃声が止むのを待つ。

『あれって広津さんだよなぁ』

真ん中に立っていた白髪の男性を思い出す。
うん、4年前と変わらずダンディーなままだったなぁ。


他を見渡すと私と同じく机の陰や棚の後ろに隠れている人達。
慣れているためみんな冷静だ。


銃声が止んだ瞬間探偵社の人達は飛び出して近くにいる黒服達を殴り飛ばしていく。


私も出て立ち上がり近くにいた黒服の顎に思い切り拳を入れてやる。


後ろに気配を感じ、振り向きざまに兜割りを鞘から引き抜く。

小さくキンと刃物のぶつかり合う音がした。

『あれ?もしかして銀ちゃん?』


目の前にいたのは長い黒髪にマスクをしている銀ちゃんだった。



『黒蜥蜴総出で探偵社襲撃なんてご苦労さまだね。』

銀ちゃんは私が探偵社にいることを知らされていたのか驚くこともなく刃物に力を込める。


カチカチと音がして兜割りが少し押された。

『うんうん、前に手合わせした時よりも確実に強くなってる、頑張ったんだねぇ。









でも、まだ私には勝てないよ。』


そう言って兜割りを上に振り上げると銀ちゃんの持っている刃物は弾かれる。

そのままがら空きになっているみぞおちに拳を入れる。


「っ!?」

銀ちゃんはそのまま意識を失って倒れてしまった。


『あらら、強く打ちすぎちゃったかな?』


周りに残っているのは探偵社の人たちと残り僅かな黒服達。


大体は賢治くんの下敷きになっている。
その山にそっと銀ちゃんを乗せておいてあげた。



「やめろっ!」


バンッとドアが開く音と敦くんの叫ぶ声が聞こえた。


それと同時に広津さんが国木田さんに投げ飛ばされた。


いきなりの事で敦くんは状況を把握出来ていなく口を開けて静止してしまった。


今の光景は

銀ちゃんを含めた黒服達の山に座りまじまじと銃を見ている賢治くん
机に座り楽しそうに談笑をする乱歩さんと与謝野さん
先程投げ飛ばした広津さんの腕を曲げてはいけない方向に曲げている国木田さん。


そして

『敦くーん、ちょっとどいてーー!』

まだ何人か立っている黒服達に向かって回し蹴りをかます私。
蹴り飛ばされた黒服は敦くんのすぐ横の壁に突っ込んだ。

最後に残っていた黒服も兜割りを大きくスイングすると同じように壁に突っ込む。

よし!ナイスショット!!




「ひぃっ!!」と敦くんが涙目で悲鳴をあげる。

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年2月3日 0時

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