フェア ページ41
「でも俺、空間に勝ってねえぞ」
『うん、でも轟くん決勝まで進んだのに、私は爆豪くんに負けちゃったから…。
順位的にも轟くんに負けてるし』
「確かにそうか」
納得してくれた轟くんに笑いかける。
『なんて偉そうなこと言っても、そんなに対した関係じゃないんだ。
私の両親がオールマイトさんと知り合いで、その繋がりで小さい頃から可愛がってもらってた、ってだけ』
あんなに勿体ぶっておきながら、言ってしまえばそれだけのこと。
それなのに轟くんは
「いや、教えてくれてありがとな」
と言ってくれた。
変わったなぁ…と心の中で思う。
元々推薦入試の時に轟くんや百ちゃんのことは知っていたけど、その時から昨日まで轟くんは近寄り難い雰囲気を持っていた。
それがたった一つの試合でこんなにも柔らかくてなるなんて。
ポカポカと暖かい感情を胸に感じながら、ふぅと息を吐き出した。
『それとね、私が話したいのはそれだけじゃなくて…』
突然真剣な声色になった私に、轟くんも真面目な顔つきになる。
『私のことについて話しておこうと思って』
ピクリ
轟くんの肩が小さく上がったのが分かった。
『轟くんの過去を勝手に色々聞いちゃって、私のことを話さないのはフェアじゃないから』
「話したくないなら、話さなくていい」
轟くんは私に気を使ってくれているのか、やんわりと遠慮するけど
『じゃあ、私が話したいから聞いてくれる？』
そう言うと、分かった、と答えてくれた。
･
デクくんに話したように
貴族の家に生まれたこと
父と兄がプロヒーローだということ
″無個性″だったこと
子供の時に敵に襲われたこと
心臓を奪われたこと
そいつが日本にいるかもしれないこと
と大体のことを話した。
『ありがとう、なんかスッキリした』
轟くんの方に目を向けると彼はなんとも言えない表情を浮かべていた。
「わり、何を言えばいいのか分かんねぇ…」
そんなことを思わせてしまったことに罪悪感が生まれる。
『大丈夫だよ。
私が話したかったから聞いてもらっただけ。
むしろ気を使わせてごめんね』
首を横に振る轟くんに満面の笑顔を向けた。
『轟くん、本当にありがとう』
「…どういたしまして」
轟くんは照れくさそうに目をそらしながらそう言った。
･
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jumpcontrolbear(プロフ) - ベルさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね!! (2018年9月24日 0時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました！更新楽しみに待っています！！ (2018年9月23日 19時) (レス) id: 5a526b3f59 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - 上手く表現出来てるか分かりませんが……(><) (2018年7月26日 22時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 愛きゃんさん» またまた描いて下さったんですか！？感激です！！ぜひ見させていただきますね！！ (2018年7月15日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - またイラスト描かせていただきましたのでよければ見てってください！((土下座 (2018年7月14日 0時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年4月23日 23時
