病院 ページ40
紅白頭に綺麗なオッドアイ、左目を覆う火傷跡。
紛れもなく目の前に立っているのは轟くんだった。
『すっごい偶然だねぇ…びっくりした』
読んでいた本を閉じながら、轟くんが座れるように少しだけ横にズレる。
轟くんは素直に、空いたスペースに腰を下ろして
「何してんだ？こんな所で」
と聞いてきた。
私は、あ〜……と目を逸らしながら頬を掻く。
『昨日の爆豪くんとの試合でちょっと無茶しすぎちゃって…そんな酷くはないんだけど。
一応ってことで、病院で診てもらえってリカバリーガール先生に…』
「あぁ、ぶっ倒れてたもんな」
『うっ……』
苦い思い出に言葉が詰まる。
実際、あんだけ血を吐いて、気絶して、と相当私の体に負担がかかっていたらしく、リカバリーガール先生が昨日のうちに病院に連絡していてくれたらしい。
おかげで診察もスムーズに終わり、体も何事もなく、お会計で名前を呼ばれるのを待っていた最中だった。
『それで、轟くんはどうして病院に？』
昨日の試合で何か大きな怪我をしていたのだろうか？
「俺は……お母さんの見舞いに…」
俯いて小さな声で言う轟くんに納得した。
火傷を負った時から、轟くんとお母さんの間に距離が出来てしまっていた。
それが昨日のデクくんとの試合で、色々と考えるところがあったんだろう。
『…お母さんと、話せた？』
「ああ」
そう返した轟くんの表情はいつもよりも柔らかかった。
『良かったね』
と言うと轟くんはコクリと頷いた。
そこで私はあることを思い出した。
『轟くん、この後なにか用事ある？』
「？特に何も無えけど」
『じゃあさ、ちょっとだけ話そうよ』
私の言葉に轟くんは僅かに首を傾けた。
「何をだ？」
『色々』
笑顔でそう返すと、轟くんはさらに不思議そう顔をした。
「空間さーん、空間Aさーん」
カウンターから私の名前が呼ばれる。
轟くんにちょっと待ってて！と告げて私は小走りでカウンターに向かった。
･
病院を出て、近くの川沿いを轟くんと歩く。
「それで何について話すんだ？」
私の少し後を歩いていた轟くんが聞いてきたので振り返った。
『体育祭の時に話したでしょ？
私とオールマイトさんとの関係は何だ、って』
そう言うと轟くんは思い出したのかあぁ、と呟いた。
･
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jumpcontrolbear(プロフ) - ベルさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね!! (2018年9月24日 0時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました！更新楽しみに待っています！！ (2018年9月23日 19時) (レス) id: 5a526b3f59 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - 上手く表現出来てるか分かりませんが……(><) (2018年7月26日 22時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 愛きゃんさん» またまた描いて下さったんですか！？感激です！！ぜひ見させていただきますね！！ (2018年7月15日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - またイラスト描かせていただきましたのでよければ見てってください！((土下座 (2018年7月14日 0時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年4月23日 23時
