治癒 ページ37
ピッピッという電子音が繰り返し鳴っていた。
部屋の中にはベットに寝かされているAと、机に向かって座っているリカバリーガールの姿だけがあった。
『……ん……？』
薄らとAの瞼が開かれる。
Aは目を右左へと動かし部屋の中を見る。
そして突然ガバッと起き上がった。
『痛ッ……!!?』
しかし上半身を起き上がらせたところで、顔を思い切り歪めてまたベットに倒れ込む。
「目が覚めたかい？」
その動作でリカバリーガールは机からAへと顔を向けた。
『えっと……ここはリカバリーガール先生の出張保健所ですか？』
Aの口元には酸素マスクが着けられており、Aの声は少しだけくぐもっていた。
「そうだよ、思っていたより意識はハッキリしてるみたいだね」
リカバリーガールはAの元に寄り、脈を測ったり目の動きを確認する。
「今回は爆豪にやられた傷よりも、あんた自身の″個性″の代償が酷かったよ」
『そう、ですよね……』
Aは酸素マスクを口から取りながら、今度はゆっくりと体を起こす。
頭や頬にはガーゼ、腕には包帯が巻かれていた。
「怪我を治癒しようにも、あんたの体の中の方が重症だったから、そっちを先に治癒したよ。
怪我は徐々に治していきな」
リカバリーガールは眉を寄せて険しい顔でAを見る。
『やっぱり体への負荷は大きかったですか？』
Aは左胸の部分を強く握る。
「当たり前のことを聞くんじゃないよ。
あんだけ血吐いてりゃ自分で分かるだろう？」
Aはぐっと口を噛んで俯く。
「爆豪に対して本気でやりあったのは教師としては褒めるさ。
ただね、医者として自分の体を顧みない行動は許せるものじゃあないね」
『すいません……』
ポツリとAの口から出た言葉に、リカバリーガールはため息を吐いて再び机に戻る。
『…ッそういえば、体育祭はどうなりました？』
パッと顔を上げたA。
「今決勝戦が行われてるよ、さっき始まったからもうそろそろ─」
呆れた様子のリカバリーガールが話している途中、大きな音と共に部屋が少しだけ揺れた。
『わっ!?……何？』
「やれやれ、どうやら終わったみたいだね」
リカバリーガールは机の前にある大きな窓から会場を見下ろしていた。
Aも窓に近寄り外を見る。
大きな氷解の上で倒れている轟と爆豪の姿がそこにはあった。
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jumpcontrolbear(プロフ) - ベルさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね!! (2018年9月24日 0時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました！更新楽しみに待っています！！ (2018年9月23日 19時) (レス) id: 5a526b3f59 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - 上手く表現出来てるか分かりませんが……(><) (2018年7月26日 22時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 愛きゃんさん» またまた描いて下さったんですか！？感激です！！ぜひ見させていただきますね！！ (2018年7月15日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - またイラスト描かせていただきましたのでよければ見てってください！((土下座 (2018年7月14日 0時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年4月23日 23時
