なってほしくない ページ23
「特に怪我は無いみたいだね、それと″個性″の方も大丈夫そうだ」
『ありがとうございます』
Aは目の前にいるリカバリーガールに向けて頭を下げた。
それから保健室を出て真っ直ぐにある場所へと向かった。
『(次の試合、デクくんと轟くんだ。
多分伝えるなら今しかない……)』
Aは扉の前で大きく息を吐いてから、ノックをする。
「誰だ」
『空間です、ちょっと時間いい？』
部屋の中から聞こえてきた言葉に返すA。
「あぁ」
短い返事に、Aはゆっくりと扉を開けた。
『ごめんね、ステージが直るまでの時間だけだから。
轟くん』
椅子に座っていた轟は、緊張した様子もなくAに目を向けた。
「何の用だ」
冷たい言い方にAは少しだけ臆したが、轟のすぐ側まで近づいた。
『謝りたいことがあって…』
Aの唐突な言葉に轟は眉を寄せる。
『実は……お昼休みに、デクくんと轟くんが話してたの、近くで聞いてた』
ガタッ!!
大きな音がして、Aは下げていた目線を戻す。
轟が勢いよく立ち上がったせいか、椅子が床に倒れていた。
轟はAを冷たく睨んでいた。
『ごめんなさい……盗み聞きのようなことをしてしまった』
Aは深く頭を下げて轟に謝罪する。
「用はそれだけか。
さっさと出てってくれ」
怒気の滲む轟に、Aはそっと顔を上げた。
『それだけじゃ、なくて………こんな私に言われたって余計腹が立つだけだと思うけど……
今の轟くんにはヒーローになって欲しくない』
次の瞬間、Aの背中に衝撃が走る。
『いっ……ッ！』
轟が右手でAの襟を掴んで壁に押し付けていた。
パキ、と掴まれた襟が少しずつ凍る。
「お前、そんなに俺を怒らせたいのか……」
低い声で言う轟にAはまっすぐと見つめ返した。
『轟くんの気持ちは分からなくはないよ。
誰かが憎くて憎くて、その人をどうにかしたい。
轟くんだったら、左を使わずに1番になりたい。
エンデヴァーさんを完全否定したい。
でもそれだけなの？』
轟の手をAは強く掴む。
「何が、言いてぇんだ」
『轟くんは…
自分の決意を達成するためだけにヒーローになりたいの！？』
「お前に何が──」
『分かるよ!!私だってそうだったから…!!』
Aは右頬を隠す前髪を耳に掛けた。
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jumpcontrolbear(プロフ) - ベルさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね!! (2018年9月24日 0時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました！更新楽しみに待っています！！ (2018年9月23日 19時) (レス) id: 5a526b3f59 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - 上手く表現出来てるか分かりませんが……(><) (2018年7月26日 22時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 愛きゃんさん» またまた描いて下さったんですか！？感激です！！ぜひ見させていただきますね！！ (2018年7月15日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - またイラスト描かせていただきましたのでよければ見てってください！((土下座 (2018年7月14日 0時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年4月23日 23時
