選手宣誓 ページ2
プレゼントマイク先生のアナウンスと共に、会場内に入場すると、客席は多くの人で埋め尽くされていた。
一般人やメディア勢はもちろん、プロヒーローも多く座っている。
『人の視線が多くてやだな……』
「どうかした、空間？」
『いーえ、何でもないよ』
独り言で言ったつもりが、近くにいた三奈ちゃんに聞こえてしまったようで、慌てて誤魔化した。
私は髪の上からそっと頬に触れる。
轟くんにハッキリ言った手前、手を抜くようなことをする気は全く無いけど…これだけ人が集まって注目されるのは気分が良くない。
上がっていた気分が、少しだけ落ち着けたような気がする。
うん、結果オーライとして受け止めよう。
周りを見ると、A組の皆もソワソワしてる。
緊張しないはずが無いか……。
台の前に整列すると、18 禁ヒーローの「ミッドナイト」が登壇した。
「選手宣誓!!」
……目を逸らしたくなるような過激なコスチュームだなぁ……。
「1-A爆豪勝己!!」
「え〜〜〜かっちゃんなの!?」
「あいつ一応入試一位通過だったからな」
爆豪くんはポケットに手を突っ込んだまま台に登り
「せんせー」
と気だるげに声を出す。
嫌な予感がする……。
「俺が一位になる」
「絶対やると思った!!」
『爆豪くん……』
思わず額に手を当てて俯く。
「調子のんなよA組オラァ!!」
「何故品位を貶めるようなことをするんだ!!」
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
『たまに爆豪くんが本気でヒーローを目指してるのか疑いたくなるよ』
「うん……でも、かっちゃんのアレは…」
『わかってる…追い込んでるんだろうね』
爆豪くんは私と話していたデクくんの肩にぶつかりながら、列に戻っていく。
その表情は、台の上にいた時とは別人のように、静かで落ち着いていた。
まるで嵐の前の静けさだ。
……ただ、それを私達A組を巻き込むところが、彼らしさなのかもしれない…。
苦笑と共にため息を吐きながら再び前に目線を戻す。
「さーてそれじゃあ早速第一種目行きましょう」
ドラムロールの音に合わせ、画面が動き、ピタリと止まった。
そこには「障害物競走」の文字。
「計11クラスでの総当りレースよ！
コースはスタジアムの外周約4km！」
観客席のあいだにゲートが作られ、生徒達が走る準備をする。
私は体を軽く伸ばしながら
唇を舐めてニヤリと口角を上げた。
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jumpcontrolbear(プロフ) - ベルさん» コメントありがとうございます！更新頑張りますね!! (2018年9月24日 0時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました！更新楽しみに待っています！！ (2018年9月23日 19時) (レス) id: 5a526b3f59 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - 上手く表現出来てるか分かりませんが……(><) (2018年7月26日 22時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 愛きゃんさん» またまた描いて下さったんですか！？感激です！！ぜひ見させていただきますね！！ (2018年7月15日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
愛きゃん(プロフ) - またイラスト描かせていただきましたのでよければ見てってください！((土下座 (2018年7月14日 0時) (レス) id: fd02c8ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年4月23日 23時
