プロローグ ページ1
ヨコハマ裏社会史上、最も死体が生産された八八日。
あらゆる組織を巻き込んで吹き荒れた血嵐、龍頭抗争。
────その終結前夜。
_
空に浮かぶ赤い満月をじっと見つめる少女。
黒い外套と高く結われた髪が風で靡く。
ビルの屋上から地上を見つめれば、無造作に転がる死体と道路を濡らす赤い血。
『嫌な匂い……』
手の甲で鼻を覆い静かに口にした。
血の臭気と弾の火薬の匂いが充満する。
『何処に…居るのかな？』
ポートマフィア参謀である東野Aは敵に捕まった同僚を探していた。
『わざと捕まらなくても……』
組織の幹部とは思えない自由な行動にAはため息をこぼした。
耳に付けているイヤホンからは何も反応がない。
そこでふとAは地上を走る人影を見つけた。
銃を構えながら低い姿勢で走っている人物は道路に横転している車に駆け寄った。
『織田作さんらしいや……』
その人物が幼い少女を抱き上げたのを見てAは優しい笑みを浮かべた。
それと同時に耳障りな雑音がイヤホンから流れて来た。
「──織田作」
やっと繋がった、とAは肩を竦めながらイヤホンに手を当てる。
「太宰、どこだ」
織田作が低い声で呼びかける。
「何してるのか大体察しがつくけど、早く逃げろ。
そこもすぐに危険になる──」
ザザ、と雑音が混じりもう一方からの通信が割り込んできた。
「引っ込んでろ、サンピン！」
その声にAは織田作を追い抜いた物体に視線を移す。
『派手な登場……』
バイクに跨り街中を豪速で抜けていくのは、Aの同僚の一人である、中原中也だった。
トレードマークの黒帽子が落ちないのをAは不思議に思いつつ、周りを見渡した。
「ハーイ、中也。
敵の射程距離に入ったから弾受けて死んでね」
「うるせえ！」
イヤホンからそんな会話が聞こえてきてAは脱力したくなった。
『太宰くん、そんな軽口叩いてる暇があるなら、さっさとその場を抜けてください』
「おや！Aかい？
私の仕事は中也を待つことだ、不本意だけどね。
あ、もちろんAも来てくれて善いのだよ」
『云われなくても、行きますよ』
そんな会話を太宰としている中でも、地上からは激しい爆発音が聞こえてくる。
Aは中原の無事を確認しながら、周りを見渡した。
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jumpcontrolbear(プロフ) - 消しゴムクイーンさん» コメントありがとうございます！！そうだったんですか……ぜひ余裕がありましたらDVDでご覧下さい！終始悶えます（笑） (2018年9月9日 1時) (
レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
消しゴムクイーン(プロフ) - こんにちは。DEAD APPLE…私、見れなかったんですよ！見たかった……これからも頑張ってください！！ (2018年8月15日 13時) (レス) id: b53efceb36 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - なたさん» コメントありがとうございます！！本編の方も読んでくださってるんですね！ありがとうございます！すごく嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年5月4日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
なた - このシリーズめっちゃ好きなのでデッドアップル編まで読めて嬉しいです！これからも頑張ってください (2018年5月4日 22時) (レス) id: a61dc9da8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2018年3月23日 18時
