放 課 後 。 《A.Daiki》

forbidden fruit 21 ページ21

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何故か、有岡先生が私から離れていってしまうような気がした。

好きにならないって決めてるのに、

行かないで、行かないで。






私を嫌いにならないで。





私を好きなままでいて、なんて。





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自分は好きにならないのに、
相手に好きになっていて欲しいなんて、
なんてわがままなの。





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だけどその言葉を裏返してしまえば、





…私はもう、有岡先生を好きになる確率は充分にあるということ。









有岡先生を、好きになれるということ。




実はもうかなり、気を許している。…んだよ。




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だからほぼ勢い任せで、



次のデートは恋人で、なんて言っちゃったんだよ。




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じゃあ、あの私の大好きな笑顔で、
大好きなんて言うから、





…かなりドキッとした。





「大好きだよ、ホントホント。

…本当に好きだよ。





先生とか生徒とか、もういいじゃん。




俺がAを好きっていう事実だけじゃ、ダメなの？」





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「…ダメじゃないよ。
ダメじゃない。



だけど、私は…
私は有岡先生のこと…」






好きなのか嫌いなのかさえもう、分かんない。





「あぁ、ごめんごめん。
…焦らないでいいからね。

でも俺は出来るだけ早く、
その口から好きって聞きたいよ。」




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「…ね、橘。」

「…うん。」






「ま、優しいだけの俺でも、ないんだけどね…」

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