狼になってもいいですか？《IKei》

お前の誇りになりますように ページ21

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「ごめん、」



「やだなぁ、謝らないでよ…
…私が全部悪いんだから…





ごめん、慧…。

答えられなくて、ごめん…」





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人を好きになると、
苦労がある。


だけど、その中に楽しさがあったり、嬉しさがあったり、
そんなのがあるから、
悲しみとかを乗り越えられる。






慧。






私は君を傷つけてばっかりだったかも知れない。






嬉しいこととか、なかったかも知れない。









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私は君に、何もあげられていないかもしれないけれど、






君が、慧が、


私を好きになってくれたのが、本当に嬉しかった。





好きになってくれた分の愛情を、
かえせなくてごめんね。





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「A。
俺はAの返事を待てないけれど、
Aを好きじゃなくなることは絶対にないからさ。


言葉とは矛盾してるかもしれないけど、








Aが俺のこと好きになったら、
いつでも、言いに来てね。







じゃあ、この前よりももっとすごいキスを
Aにしたげる。」



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A。

そういう慧の唇が、微かに震えていたことに気づいた。








いつか、好きになりたい。




…何故か、そう思った。


それは、偽善とか、同情とか、そんなんじゃない。




ただ今は、私の恋をするだけ。

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