年 齢 制 限。《Y.Ryosuke》

夢幻 16 ページ16

.





.





ピーンポーン…。





いつもはそこからなるチャイムは、
郵便屋さんか、新聞屋さんしかいなかったのに、

今日は感じる、この変な緊張感は何だろう。





.






「…こんにちは、山田さん。」

「うん、こんにちは。上がって？」

「では、おじゃまします…。」





.





あれから一週間たった今日。

一週間しか経ってないけれど、Aのいろんなことを知った。



それと同時に、自分の気持ちにも気付いた。





.





「山田さん、今日は大切な話をしに、やってきました。」


俺の心臓の音は、きっと自己最高速度をたたき出しただろう。
それくらい今、緊張と期待が、胸の中に溢れている。





.






「…俺もちょうど、話したいことがあったんだ。」

「…そうなんですか。
では、私から話してもいいですか？」





.






もちろん。
俺の目がそう言っていたのだろう。

Aは深呼吸して、
俺の目を見て言った。




.





.





.





俺は完全に浮かれていたんだ。
…期待していた。



期待すればするほど、
それが外れてしまえば、悲しさは倍になることも知っていたけれど。





.






.





.






「先週の告白、取り消して欲しいんです。」

夢幻 17→←夢幻 15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す