俺の前から、メンバーが消えました。

39.空気の変化 ページ42

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開かれたであろう扉の音と共に後ろから聞こえた声に思わず足を止めて振り返った。



間違いない…この声。
俺はこの声から発せられる言葉に何度も頭を抱えさせられたし、何度も励まされた。



この声はそう…


「ひか「悪い！」……は？」




名前を呼ぼうとしたのにいきなり頭を下げた声の主、俺のメンバーであるはずの八乙女光。



俺じゃない誰かに言ってるのかと思って辺りを見渡してみるけどここに居るのは俺だけ。



「君はここに救いを求めてきたはずなのに、
俺はいきなりなんてことを…っ、」



あ、あの。
会ったばかりでこう訳分からないことになると再開の感動すらも忘れてしまうものなのか…



この人は一体何を言ってるんだ？



「え…っと、救いって？」



一応聞き返してみる。



「？君、他の村から逃げ出してきたんじゃないのか？」



はい？



光くんの後ろにチラッと目に入ったこの家の表札。
そこに書いてあったのは


「…施設？」



まさかここって、児童施設!?
え、ちょっとまて、それじゃあまさか俺は…



「あ、あの。俺何歳に見えます？」



「16…とか？」



じゅうろくぅぅ!?


「え、ま、まって、なんで!?」



「最初後ろ姿で20代位の男かと思ったが、顔見た瞬間申し訳ないことをしたと直ぐに思ったよ…本当に済まなかった、まさかまだ子供だったなん」





「子供じゃねぇよ！思いっきり成人男性だわ！
今年で25だよ！25！」




「…なんだと!?
だってほら、顔もまだ幼く見えるし背だって」




「背に関しては突っ込むな！
俺は！立派な成人男性です！」






俺をみてあんぐり口を開けた間抜けな顔をした光くん。






はぁ、なんかすっげぇこのやり取りでつかれた、
まさかこっちの世界の光くんにも振り回されるなんて思ってなかったよ…

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