俺の前から、メンバーが消えました。

30.最優先事項 ページ33

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「地下で侵入者がでたと聞いてきた。貴様らがそうだな。」



「っ、知念。どうするっ、」



「幸い逃げ道は塞がってない。走るぞ！」



「まて！」



裏口の方向に全力で走る。
知念は足が速い。俺も知念と足の速さなら互角だ。


どうにかすれば巻けなくても距離だけは離せるはず。


さっきより距離は離れてる。このまま巻けれたら1番いいけど




『〜っ！』



「っ!?…いま、」


「おい涼介！何足を止めてる!?」



「あ、うん、わるい、」



思わず足を止めてしまった。
知念に言われてすぐに足を動かす。




…いま、声がしたような…しかもあの声…聞いた事、




「くそ、もうすぐそこまで！」



知念の声で後ろを振り向くと、いつの間にかすぐそこまで来ていた。



やばい、この廊下無駄に長すぎだろ!
ようやく見えた曲がり角を曲がって城の外を目指す。



このままじゃ、知念がお父さんを助けに行けなくなる…知念の願いを、叶えられなくなる、



「っ！あそこ！」



外に繋がる道とは別の曲がり角が見えた。



…俺が、やらなきゃ。
知念を、守らなきゃ。



「知念！お前一人なら何人かなら巻けるよな!?」



「は!?何を言ってる!?」



「巻けるかって聞いてんだよ！」



「…当たり前だ！」



よし、決定だ。




「…全員は無理だと思うから、お前はそれ、絶対外に出せよ！」



「何をっ、おい！涼介！」



裏口に向かう道とは別の廊下に曲がる。
これで知念が外に出るのが少しは楽になるはず。



後ろを向くと10人ほどこっちに来ていた。

半分以上こっちに来てくれたか、助かる



多分、この道からでも外には出られるはず。
少し遠回りにはなると思うけど、逃げながら探すか。



ただ、俺も体力がどこまで持つか…。

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