10.痛みの意味 ページ12
.
「山田くん!!」
「おい!てめぇ!」
じたばたと俺を振りほどこうとする大ちゃんをがっしり押さえつけて離さない。
「っ、勝利いけ!」
「…え?」
「お前は自分のメンバー探しに行けっ!
絶対、この世界にいるっ!」
大ちゃんがこの世界にいた、きっと皆もいるはずだ。勝利はあいつらを見つけないといけない。
「でも、山田くんと有岡くんが!」
「俺らのことはいいから!…あいつらを、俺の大事な後輩達を救ってくれっ!勝利っ!」
これは俺達JUMPの問題。俺と大ちゃんの問題だ。
勝利を巻き込むわけには行かない。
「…っ、わかりました!絶対、みんなを見つけてきます!」
背を向けて走り出した勝利を見届けたと同時に、俺の体はまた地面にほおり投げられた。
「グッ…いってぇ、」
「お前、何が目的だ。俺の“情報“を盗みに来たのか?」
「情報?」
なんだよ、情報って
「…答えないのなら、殺すまでだ。」
「っ、!」
さらに1トーン落ちた大ちゃんの声の気配に、無意識に体が動いていて、大ちゃんが突き立てた刀をギリギリでかわした。
あっぶね。死ぬかと思った、
「…俺のこいつをかわしたか。瞬発力だけはいいみたいだな。」
「はっ、お前の動きなんか、全部わかんだよ。」
明らかに眉を寄せた大ちゃん。
挑発になってる気もするけど、何年一緒にいると思ってんだよ。お前の行動なんて、俺にとってはわかり易すぎんだよ。
「お前が言ったことだろ。『俺と山田は、会話しなくても通じ合えるんだ』って。」
「何言ってんだお前。」
「俺はお前の親友だからって。なんでも相談して来いって。俺たちのあいだに秘密はなしだって。全部全部、大ちゃんがくれた言葉だよっ!」
「っ、お前、なんなんだよ!」
この狭い場所で大ちゃんの攻撃をなんとか交わす。
交わしてる間に目に入った民家の外に置いてある小型のナイフ。あれなら!
俺はそれを手にして大ちゃんの突いてくる刀を小さなナイフで力一杯受け止めた。
「そんな物で受け止められる思ってるのか」
「思っちゃねぇけど、俺だってこいつの使い方は何度も練習したんだよ!」
いくらアクションでも、ナイフの使い方はマスターしたつもりだ。俺でも、掠らせる位は出来るはず!
今起こってるこれはゲームであってゲームじゃない。多分、この世界で死ねば、本当に死ぬ。
現に今痛みを感じてるのがその証拠だ。
494人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼奈(プロフ) - いろは。さん» お返事たいへん遅れました!すみません!ありがとうございます!更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2018年12月24日 15時) (レス) id: 9c1cc16d73 (このIDを非表示/違反報告)
いろは。 - こんにちは。とても面白いお話で、いつも楽しく読ませていただいています!無理のない程度に、更新 頑張ってください。 (2018年9月16日 23時) (レス) id: 0043e2938f (このIDを非表示/違反報告)
涼奈(プロフ) - ももかさん» ありがとうございます!更新ペースがバラバラですが必ず投稿しますのでこれからもよろしくお願いしますっ! (2018年8月11日 16時) (レス) id: 9c1cc16d73 (このIDを非表示/違反報告)
ももか - 更新、楽しみにしてます!焦らず、頑張ってください! (2018年8月11日 15時) (レス) id: 76b5a75f64 (このIDを非表示/違反報告)
涼奈(プロフ) - 未央さん» ありがとうございます!!更新遅れてしまいすみません、頑張ります! (2018年8月11日 2時) (レス) id: 9c1cc16d73 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涼奈 | 作成日時:2018年4月10日 17時