日常の端っこ-短編集-【JUMP】

おまけ_01〜ソーダ水とバニラアイス〜 ページ31

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"読みたいー！"

"読ませろぉー！"

"見せないと襲っちゃうよ？"




あまりにしつこい裕翔くん…



私が今書いている小説

読みたくて仕方ないらしいんだけど…



やっぱりなんか恥ずかしくって…








裕翔『もう知らない……』



ふてくされて膝を抱え、
膝の間に顔をうずめた彼




渋る私に…あきれちゃった？

それとも怒っちゃったかな…




もう…、仕方ない







「こ、これ…」


つんつん、と膝を抱えたままの
彼の二の腕をつついてみた





裕翔『なに…』



ちょっぴり不機嫌な顔で
私を見上げた裕翔くん




だったけれど、
私の持っていたモノを見て
驚いた表情に変わった





裕翔『な、なにこれ？』


「だから…、小説読みたいんでしょ？」




差し出したのは、携帯電話





裕翔『え、Aちゃんが今書いてるのってweb小説なの！？』


「そうだよ？」



予想外の出来事に、驚きを隠せない様子





しかも………






裕翔『え、うそだ！？』




携帯電話を凝視してさらに驚いた






裕翔『お、俺の大好きな作品……』


「あ、え…？どーゆーこと？」


裕翔『俺、この作品のファンで…
しかもコメントとかしちゃってるやつ…』




その瞬間、次は私の方が驚いてしまった


え？もしかして…"Ｙ"って……






「ま、って…

あの"Ｙ"って、裕翔くんだったの？」


裕翔『そうだよ…俺、知らなかった…』


「私だってわかるわけないし…」


裕翔『けど、Aちゃんいつも丁寧に返事してくれるから、俺コメントするのも返ってくるのも楽しみだったんだよ？』


「ふふ…、私も裕翔くんのコメントにいっつも支えられてた。ありがとうね？」



裕翔『今度から直接感想伝えてもいい？
俺、毎日電話しちゃうわ。』



彼は、ほわほわと笑った

裕翔くんのその言葉に、
なんだか肩の力が抜けたみたいで…



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