愛のカタチ (jump×jump)

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「へぇ、サッカーやってるんだ」



スマホのマップ機能を駆使して
俺の案内をしてくれる彼。



一緒に歩くうちに、だんだん話が弾む。



今も彼のサッカーに対する熱い思いを
聞かされてる。



「そう、今年こそは大会で優勝したいんだけど…」



必死に夢を語ってる彼が輝いてみえた。


それは、彼が夕日に照らされてるからか…




あるいは…


さっきから、彼を見てると胸の奥が
ぐっ、と締め付けられるせいか。




どちらだとしても今は夕日のせいにしておこう。









「あ、ねぇ見てよこれ！」



彼がキラキラとした笑顔で指さした先には
白い花が咲いていた。



「わぁ、綺麗だね…！」



俺は、その花に心を奪われて花に近寄る。





それは、俺らが俺の家に着き
別れる15分前のことだった。







「これ、なんていう花だろうね」



隣で同じく花を見つめる彼に問いかける。





「あぁ、"スターチス"っていう花だな。」




へぇ、花なんて興味なさそうなのに
知ってるんだ…





「……おい、声に出てるぞ。」



「……っ、」


慌てて口元を押さえる。



「ふふっ、もう遅せーよ、」



ふっ、と笑いを溢す彼に
また胸の奥が締め付けられた。




「……っ、そろそろ行こう？」



これ以上、この気持ちに浸っちゃいけない気がして…



この気持ちに気付いちゃダメな気がして…



彼を早く行こう、と急かした。






「うん、」



また歩き出した俺らの間に会話は無かった。









「……ここで、大丈夫。ありがとね。」




しばらくして、俺の家に着いた。




「おう、じゃあ行くわ。」




うん、気を付けて…と俺が言うと
歩き出した彼。







その彼の背中をじっと見つめていた。









「……あ、名前。」




と、気付いた時には彼の姿は見えなくなっていた。









＿＿＿＿＿＿彼は、俺の叶わぬ初恋の人となった。

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