狼青年とは〇〇しない…~Ryosuke.Y~ (ページ9)

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「おはよう、よく眠れた？」

声をかけると、彼は何も反応しなかった。

気にせず私はキッチンへ向かい、お湯を沸かし冷蔵庫を開ける。

「ご飯食べる？」

そう言うと、彼は小さく頷いた。

食べるんかいとツッコみたくなったが
顔色が悪いから、きっとご飯を食べていないのだろう。

と、その前に
彼の濡れた服を洗濯しなきゃ。

そう思い脱衣所へ行き、私の服と彼の服を洗濯機に放り込む。

昨日は洋服全然探せなかったな。

乾燥させたら、服も着れるだろう。

キッチンへ戻ると
青年はいつの間にかキッチンにいて、立ちすくんだままだった。

「座って」

椅子を引くと、黙ったまま椅子に座る。

ずっと彼は気配がなく、近くにいても違和感を感じない。

つんっと頬を指でつつくと、露骨に嫌な顔をした。

「名前なんて言うの？」

顔を覗くと、目を逸らして無視。
何も答えたくない割にはお腹は空くのね。

「じゃあ勝手に青年って呼ぶね」

笑うと、青年は私の腕を掴んだ。
何か言いたそうな顔をしているのに、全然言葉にしない。

.

青「…ごめん」

会話した初めての言葉が謝罪で
私は驚いたが、お腹を抱えて笑ってしまった。