6.青年side ページ6
雨の日は嫌いだった。
行く当てのないうえに
真っ暗になって俺を孤独にさせる。
最悪だ…。
パーカーもズボンも全部濡れて気持ち悪い。
おまけに、酔っ払いに絡まれややこしいことになった。
.
ふらふら歩いていると、小さいアパートを見つけた。
外灯は1つだけついていて、殺風景
部屋数は少ないから、誰にも会わないだろうと思っていた。
地面に座り
寒い中、ただ時間が経つのを待つ。
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大雨の中寝ようとしていると
ふと、階段を上る音がかすかに聞こえた。
アパートの住人が夜遅くに帰ってきたのだろう。
そんなことは気にせず
じっと気配を消して目を閉じる。
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その時_______
雨がやんだ…いや、俺の周りだけ降っていない。
目を開けると、小さい脚が見える。
いつの間にか目の前に人がいて、俺は警戒してパーカーのフードを取った。
見ると、女が1人俺に傘をさしていた。
胸下までの髪、色白で透き通った肌
長いまつげ、潤った唇…
天使が舞い降りたのかと思った。
美人で線が細くて…
今にも消えてしまいそうなくらいきれいな女性だと思った。
.
俺に目線を合わせしゃがみ、まっすぐ俺を見ていた。
なぜか、彼女が欲しくなった…。
壊したくなって、無理やりキスをした。
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作者名:七瀬 | 作成日時:2020年11月27日 22時