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「ねぇ、家には帰ってるの?」
ベットに寝転び、くつろいでる青年に話しかける。
スマホをいじっていた手が、ぴたっと止まった。
踏み込んだ質問だったけど、嫌だったかな。
青「…」
やっぱり教えてはくれない。
少しは信用されていると思ったけど、難しい。
私はもう何も聞かず
スマホ片手にベランダへと移動した。
じめじめした空気が心地悪い。
梅雨はもう終わるはずなのに、また明日雨予報。
青年と出会ったことを思い出しながら
私はスマホの画面を見つめた。
慧『今日生姜焼き作ったよ』
慧からのメッセージはご飯の写真付き。
私が作ったのと同じで、思わず笑ってしまう。
「私もだよ」と返事し、椅子に座って体を伸ばした。
すると
窓が開き、青年がベランダへと出てきた。
たばこかと思ったが、手には何も持っていない。
「どうしたの?」
青「…今の俺には、お前しかいない」
いつもは見せない、真剣な表情。
それにどう反応したらいいか分からなくて、目が泳いだ。
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作者名:七瀬 | 作成日時:2020年11月27日 22時