狼青年とは〇〇しない…~Ryosuke.Y~ (ページ37)

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「慧、ごめんね」

慧「何謝ってるのさ、いいんだよ」

時間が取れた慧と、私は大きい公園で会っていた。

芝生に敷いたシートに座り、屋台で買ったサンドイッチを食べる。

空は晴れていて、暖かくて今すぐにでも寝てしまいそうだった。

慧は、メールで話したことはもう気にしていないらしく

それ以上何も求めなかった。

慧「んー、今日は外出て良かったね」

「そうね」

慧「ご飯は美味しいし、ゆっくりAとおしゃべりできるし」

彼は「ね？」と笑い、最後の一口のサンドイッチを食べ終わる。

頷いて、私も食べ進めた。

食べながら、慧の手に触れると
にこっと笑い髪に指を通す。

一言で例えると猫みたいで、人懐っこくて甘え上手。

慧「…シャンプー変えた？」

慧は、不思議そうに私の顔を見つめる。

何か分からなくて首を傾げると、彼も首を傾げた。

慧「シャンプーの匂いするけど、違う匂い」

「そ…うかな？」

一瞬ひやりと、背中が凍りつきそうだった。

自分では気にしたことなかったけど、やっぱり違うのね。

「どこかでついたのかな？」

慧「そうかな？」

嘘つくの、上手になったかもしれない。

嘘を重ねているのに、心配しているのは青年のことばかりだった。